Evolton

大阪大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xy 平面上で放物線 y=x2 と直線 y=2 で囲まれた図形を、y 軸のまわりに1回転してできる回転体を L とする。回転体 L に含まれる点のうち、xy 平面上の直線 x=1 からの距離が1以下のもの全体がつくる立体を M とする。

(1) 0t2 とする。xy 平面上の点 (0,t) を通り、y 軸に直交する平面による M の切り口の面積を S(t) とする。t=(2cosθ)2(π4θπ2)のとき、S(t)θ を用いて表せ。

(2) M の体積 V を求めよ。

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

積分図形と方程式 体積計算面積計算、置換積分

方針

高さtで水平に切ると,回転体Lの断面は中心(0,0),半径tの円板になる。直線x=1からの距離が1以下という条件は,同じ断面内で中心(1,0),半径1の円板に入ることなので,S(t)は2円の共通部分の面積である。t=2cosθとおき,2つの扇形から2つの二等辺三角形を引いて断面積を作る。(2)はdt=8sinθcosθdθで積分し,三角関数をsin2θ,cos2θに整理する。

解答

(1)
空間の座標を,もとのxy平面に垂直な方向を加えて考える。高さtの平面でLを切ると,もとの放物線y=x2から半径はtとなるので,断面は中心(0,0),半径tの円板である。

一方,直線x=1からの距離が1以下である点は,この断面内では中心(1,0),半径1の円板の中にある点である。したがってS(t)は,中心間距離1,半径tと1の2円の共通部分の面積である。t=2cosθ(π4θπ2)とおく。半径2cosθの円を中心O,半径1の円を中心Aとする。2円の交点を結ぶ弦について,中心Oから見た半角をαとすると cosα=t2=cosθ であるからα=θである。よって中心O側の扇形の中心角は2θで,その面積は 12(2cosθ)22θ=4θcos2θ である。

同じ弦を中心Aから見ると,対応する中心角は2π4θである。したがって中心A側の扇形の面積は 12(2π4θ)=π2θ である。

この2つの扇形を足すと,共通部分に対応する2つの二等辺三角形を余分に含む。中心O側の三角形の面積は 12(2cosθ)2sin2θ=2cos2θsin2θ であり,中心A側の三角形の面積は 12sin(2π4θ)=12sin4θ である。両者の和は 2cos2θsin2θ12sin4θ=sin2θ である。よって S(t)=4θcos2θ+π2θsin2θ である。

(2) t=4cos2θであるから dt=8sinθcosθdθ である。t=0θ=π2t=2θ=π4に対応するのでV=02S(t)dt=π4π2{4θcos2θ+π2θsin2θ}8sinθcosθdθである。

ここで4θcos2θ2θ=2θcos2θ,8sinθcosθ=4sin2θより,被積分関数は 4(π+2θcos2θsin2θ)sin2θ である。さらに整理すると 4πsin2θ+4θsin4θ2+2cos4θ となる。したがってV=π4π2{4πsin2θ+4θsin4θ2+2cos4θ}dθ=[2πcos2θθcos4θ+14sin4θ2θ+12sin4θ]π4π2である。端点を代入すると V=2π3π4π2=3π4 である。

別解

解法2

方針

(1) は高さ t の断面を、原点中心・半径 t の円板と (1,0) 中心・半径1の円板の共通部分として図示し、2つの扇形から三角形を引く。(2)は積分順序を変え、xz 平面上の各点の上にある高さ 2r2 を極座標で積分する。

解答

(1)
高さ t の断面で、y 軸からの距離を r とする。回転体 L の条件はrt,直線 x=1 からの距離が1以下という条件は(x1)2+z21である。したがって断面は、中心 O=(0,0)、半径 t の円板と、中心 A=(1,0)、半径1の円板の共通部分である。t=2cosθ(π4θπ2)とする。2円の交点の一つを X とすると、三角形 OAX の辺長はOX=2cosθ,OA=AX=1.余弦定理からAOX=θ,OAX=π2θ.よって共通部分は、中心角 2θO 側の扇形と、中心角 2π4θA 側の扇形から、2個の合同な三角形を引いたものである。したがってS(t)=4θcos2θ+(π2θ)sin2θ=4θcos2θ+π2θsin2θ.(2)
今度は積分の順序を変える。xz 平面で極座標x=rcosφ,z=rsinφを用いる。円柱 (x1)2+z210r2cosφ,π2φπ2と表される。また L の上端 y=2 からr2.固定した (r,φ) に対し、yr2 から2まで動くので、その高さは 2r2 である。

対称性を使い、φ=π/4 で上限を分けるとV=2{0π/402(2r2)rdrdφ+π/4π/202cosφ(2r2)rdrdφ}.内側の積分は02(2r2)rdr=1であり、また02cosφ(2r2)rdr=4cos2φ4cos4φ=sin22φ.よってV=2{π4+π/4π/2sin22φdφ}=2(π4+π8)=3π4.

総評

難度8,計算量8。目安時間は30分以上。核心は立体を直接想像することではなく,高さtの断面を2円の共通部分として正確に翻訳することである。t=2cosθの置換では,t=0,2に対応するθの向きが逆になるため,積分範囲の反転とdtの符号を丁寧に処理したい。断面積では扇形から三角形を引く構成,体積積分ではsin2θ,cos2θへの整理が主な採点点である。

冊子PDFで見る阪大の積分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。