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大阪大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

α=2π7とする.以下の問いに答えよ.

(1) cos4α=cos3αであることを示せ.

(2) f(x)=8x3+4x24x1とするとき,
f(cosα)=0が成り立つことを示せ.

(3) cosαは無理数であることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

三角関数数と式論証・証明 三角比の利用、展開・因数分解、背理法

方針

14α=2π3α を用いて余弦の対称性から示す。2c=cosα とおき,cos4α=cos3α に多倍角公式を代入して整理する。得られる4次式は (c1)f(c)=0 と因数分解され,c1 から f(c)=0 が従う。3 は有理数と仮定し,有理根定理により候補を ±1,±1/2,±1/4,±1/8 に絞り,どれも f(x)=0 を満たさないことを確認する。

解答

(1) α=2π7 であるから 4α=8π7,3α=6π7 である。したがって 4α=2π3α であり,余弦の性質より cos4α=cos(2π3α)=cos3α である。

(2) c=cosα とおく。多倍角公式より cos4α=8c48c2+1,cos3α=4c33c である。1 よりこれらは等しいので 8c48c2+1=4c33c である。左辺に移項すると 8c44c38c2+3c+1=0 であり,これは (c1)(8c3+4c24c1)=0 と因数分解できる。

ここで 0<α<π だから c=cosα1 である。よって 8c3+4c24c1=0 すなわち f(cosα)=0 である。

(3) cosα が有理数であると仮定する。2 より cosα は整数係数多項式 8x3+4x24x1=0 の有理数解である。

有理数解を既約分数 p/q と書くと,有理根定理より p は定数項 1 の約数,q は最高次係数 8 の約数である。したがって候補は ±1,±12,±14,±18 に限られる。

実際に代入するとf(1)=7,f(1)=1,f(12)=1,f(12)=1,またf(14)=138,f(14)=18,f(18)=9164,f(18)=2964である。いずれも0ではない。

これは f(cosα)=0 に反する。したがって cosα は無理数である。

別解

解法2(三角和とモニック多項式)

方針

1+2cosα+2cos2α+2cos3α=0 を導き,c=2cosα の三次方程式へ変換する。c は最高次係数1の整数係数多項式の根なので,有理数なら整数である。一方 1<c<2 だから矛盾する。この方法では有理根候補を8個代入せずに済む。

解答

(1)
7α=2π だから4α=2π3α.よってcos4α=cos3α.(2)sin(7α/2)=sinπ=0 を用いると,余弦和の公式から1+2cosα+2cos2α+2cos3α=0.(1)ここでc=2cosαとおく。倍角・3倍角の公式より2cos2α=c22,2cos3α=c33c.これらを (1) に代入すると1+c+(c22)+(c33c)=0,すなわちc3+c22c1=0.(2)c=2cosα を代入すれば8cos3α+4cos2α4cosα1=0.したがってf(cosα)=0.(3)
cosα が有理数なら,c=2cosα も有理数である。(2) は最高次係数1の整数係数多項式なので,有理根定理により,有理数解 c は定数項 1 の約数,すなわち整数 ±1 のいずれかでなければならない。

しかし0<α=2π7<π3より1<2cosα<2.この範囲に整数は存在しないから矛盾する。ゆえにcosα は無理数である.

総評

公式出題意図は,三角関数の基本公式と実数・整数の基本事項を融合して論証する力を測るとしている。解法1は設問(1)を直接利用する正攻法で,解法2は7等分角の余弦和から 2cosα のモニック三次式を作る。無理数証明では「多項式の根だから無理数」とは言えず,有理数と仮定して有理根定理で矛盾を出す必要がある。解法2では 1<2cosα<2 により候補代入を一気に省ける。想定時間は15分程度。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。