方針
は を用いて余弦の対称性から示す。 は とおき, に多倍角公式を代入して整理する。得られる4次式は と因数分解され, から が従う。 は有理数と仮定し,有理根定理により候補を に絞り,どれも を満たさないことを確認する。
解答
(1) であるから である。したがって であり,余弦の性質より である。
(2) とおく。多倍角公式より である。 よりこれらは等しいので である。左辺に移項すると であり,これは と因数分解できる。
ここで だから である。よって すなわち である。
(3) が有理数であると仮定する。 より は整数係数多項式 の有理数解である。
有理数解を既約分数 と書くと,有理根定理より は定数項 の約数, は最高次係数 の約数である。したがって候補は に限られる。
実際に代入するとまたである。いずれも0ではない。
これは に反する。したがって は無理数である。
別解
解法2(三角和とモニック多項式)
方針
を導き, の三次方程式へ変換する。 は最高次係数1の整数係数多項式の根なので,有理数なら整数である。一方 だから矛盾する。この方法では有理根候補を8個代入せずに済む。
解答
(1)
だからよって(2) を用いると,余弦和の公式からここでとおく。倍角・3倍角の公式よりこれらを (1) に代入するとすなわち を代入すればしたがって(3)
が有理数なら, も有理数である。(2) は最高次係数1の整数係数多項式なので,有理根定理により,有理数解 は定数項 の約数,すなわち整数 のいずれかでなければならない。
しかしよりこの範囲に整数は存在しないから矛盾する。ゆえに
総評
公式出題意図は,三角関数の基本公式と実数・整数の基本事項を融合して論証する力を測るとしている。解法1は設問(1)を直接利用する正攻法で,解法2は7等分角の余弦和から のモニック三次式を作る。無理数証明では「多項式の根だから無理数」とは言えず,有理数と仮定して有理根定理で矛盾を出す必要がある。解法2では により候補代入を一気に省ける。想定時間は15分程度。