方針
固定した について線分 を , と表す。通過領域を調べるには, を固定して,条件 と を満たす の範囲で の値域を求める。 は上に凸の二次関数で,頂点 と端点の大小により, で上下端が切り替わる。最後に境界線・曲線を明示して図示できる形にまとめる。
解答
固定した に対し,点 を結ぶ線分の方程式は である。したがって点 が通過部分に入ることは,ある が存在して を満たすことと同値である。 を固定して考える。 の範囲は,全体として である。
まず のときは,任意の について が成り立つ。よって の範囲は である。関数 は上に凸の二次関数で,頂点は である。 では頂点が 側にあるので, は で増加する。したがって である。 では頂点が の範囲に入るので,最大値は頂点で である。最小値は端点 または の小さい方で決まる。端点値は であり,これらは で等しい。よって である。
次に のときは,条件 より である。この範囲では頂点 は 以下にあるので, は減少する。したがって最大値は ,最小値は であり, である。
以上より,通過部分は次の領域である。境界は,直線 曲線 および 軸で構成される。
別解
解法2(直線族の包絡線)
方針
線分を含む直線族 とみなし, に関する接触条件から包絡線を求める。包絡線が有効な範囲と,端の直線 ,端点 が動く 軸をつなぐ。下側境界は端点直線の大小比較で切り替わるため,包絡線だけで終えないことが重要である。
解答
固定した に対する線分はである。この直線族をと表す。
包絡線上ではが同時に成り立つ。したがってただし より,この包絡線が上側境界になる範囲はである。
この範囲の外では,上側境界は端の直線で決まる。すなわちまた,下側境界では2直線の大小がで入れ替わる。さらに では条件 により となり,線分の端点 が下側境界,すなわち 軸を作る。
よって通過領域は
総評
公式出題意図は,動く線分の通過領域を数式で表し,条件を整理して正確に決定する力を測るとしている。解法1の縦断面法は領域の漏れがなく,解法2の包絡線法は曲線 が現れる理由を幾何的に説明する。切替点 はそれぞれ,包絡線の始点,端点直線の交点,包絡線の終点に対応する。線分条件 を落とすと の下端を誤る。想定時間は25分程度。