Evolton

大阪大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

正の実数tに対し,座標平面上の2点P(0,t)
Q(1t,0)を考える.
t1t2の範囲を動くとき,
座標平面内で線分PQが通過する部分を図示せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式関数 軌跡、範囲評価、微分による最大最小

方針

固定した t について線分 PQy=tt2x0x1/t と表す。通過領域を調べるには,x を固定して,条件 1t2x1/t を満たす t の範囲で gx(t)=tt2x の値域を求める。gx(t) は上に凸の二次関数で,頂点 t=1/(2x) と端点の大小により,x=1/4,1/3,1/2 で上下端が切り替わる。最後に境界線・曲線を明示して図示できる形にまとめる。

解答

固定した t に対し,点 P(0,t),Q(1t,0) を結ぶ線分の方程式は y=tt2x,0x1t である。したがって点 (x,y) が通過部分に入ることは,ある t が存在して 1t2,0x1t,y=tt2x を満たすことと同値である。 x を固定して考える。x の範囲は,全体として 0x1 である。

まず 0x1/2 のときは,任意の 1t2 について x1/t が成り立つ。よって t の範囲は 1t2 である。関数 gx(t)=tt2x は上に凸の二次関数で,頂点は t=12x である。 0x1/4 では頂点が t2 側にあるので,gx(t)1t2 で増加する。したがって 1xy24x である。 1/4x1/2 では頂点が 1t2 の範囲に入るので,最大値は頂点で gx(12x)=14x である。最小値は端点 t=1 または t=2 の小さい方で決まる。端点値は gx(1)=1x,gx(2)=24x であり,これらは x=1/3 で等しい。よって 14x13 では 1xy14x, 13x12 では 24xy14x である。

次に 1/2x1 のときは,条件 x1/t より 1t1x である。この範囲では頂点 1/(2x)1 以下にあるので,gx(t) は減少する。したがって最大値は t=1,最小値は t=1/x であり,0y1x である。

以上より,通過部分は次の領域である。{0x14,1xy24x,14x13,1xy14x,13x12,24xy14x,12x1,0y1x.境界は,直線 y=1x,y=24x, 曲線 y=14x および x 軸で構成される。

別解

解法2(直線族の包絡線)

方針

線分を含む直線族 F(x,y,t)=yt+t2x=0 とみなし,t に関する接触条件から包絡線を求める。包絡線が有効な範囲と,端の直線 t=1,2,端点 Q が動く x 軸をつなぐ。下側境界は端点直線の大小比較で切り替わるため,包絡線だけで終えないことが重要である。

解答

固定した t に対する線分はy=tt2x,0x1tである。この直線族をF(x,y,t)=yt+t2x=0と表す。

包絡線上ではF=0,Ft=1+2tx=0が同時に成り立つ。したがってt=12x,y=14x.ただし 1t2 より,この包絡線が上側境界になる範囲は14x12である。

この範囲の外では,上側境界は端の直線で決まる。すなわちt=2: y=24x,t=1: y=1x.また,下側境界では2直線の大小が1x=24xx=13で入れ替わる。さらに x1/2 では条件 x1/t により t1/x となり,線分の端点 Q=(1/t,0) が下側境界,すなわち x 軸を作る。

よって通過領域は{0x14,1xy24x,14x13,1xy14x,13x12,24xy14x,12x1,0y1x.

総評

公式出題意図は,動く線分の通過領域を数式で表し,条件を整理して正確に決定する力を測るとしている。解法1の縦断面法は領域の漏れがなく,解法2の包絡線法は曲線 y=1/(4x) が現れる理由を幾何的に説明する。切替点 x=1/4,1/3,1/2 はそれぞれ,包絡線の始点,端点直線の交点,包絡線の終点に対応する。線分条件 x1/t を落とすと x>1/2 の下端を誤る。想定時間は25分程度。

冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。