問題
とする.以下の問いに答えよ.
(1) 方程式は,の範囲でただ1つの解をもつことを示せ.
(2) (1)の解をとする.実数がを満たすならば,次の不等式が成り立つことを示せ.
(3) 数列を
で定める.このとき,すべての自然数に対して,
が成り立つことを示せ.
(4) (3)の数列について,を示せ.
方針
解法1
とおき, から固定点の一意性を示す。 は と平均値の定理を使い, が減少関数であることから,割線の傾きが より小さいことを示す。 ではまず と を帰納的に確認し, を に適用して誤差 が半分未満に縮むことを示す。 はこの誤差評価を反復してはさみうちで収束を示す。
解法2(積分評価と単調収束)
を導関数の積分として表し,区間上の の大小から設問(2)を直接示す。数列については と増加性を帰納的に示し,上に有界な単調数列として極限を持つことを確認する。最後に漸化式へ極限を代入して,固定点の一意性から極限が と分かる。
解答
解法1
(1)
とおく。 で であるから, は で狭義減少する。
また である。一方,例えば より だから である。したがって中間値の定理より, となる正の実数が存在する。さらに は狭義減少なので,その解はただ1つである。よって方程式 は の範囲でただ1つの解をもつ。
(2)
とする。 は増加関数であり, だから である。よって であり, と合わせて である。
また,平均値の定理より,ある が を満たし となる。ここで は減少関数であり, だから である。したがって が成り立つ。
(3)
まず が を満たすことを示す。 であり, は狭義減少してただ1つの零点を にもつので である。よって である。 と仮定すると, は増加関数なので である。したがって帰納法により,すべての で が成り立つ。
さらに, では であるから である。よって数列 は増加し,特に である。 を に適用すると である。また なので である。
(4)
の不等式を繰り返すと である。右辺は で0に近づく。したがってはさみうちにより である。ゆえに である。
解法2(積分評価と単調収束)
(1)
とおく。 では
なので, は狭義減少する。また
である。中間値の定理と単調性から, は正の範囲にただ1つの解をもつ。これを とする。
(2)
とする。 は増加するので
さらに微積分の基本定理から
区間 では
だから
で割って
(3)
と より である。 と仮定すると, の増加性から
したがって帰納法により
が全ての で成り立つ。
設問(2)を に適用すると
よって
(4)
では だから
よって は単調増加し,上に で有界なので,ある極限 をもつ。漸化式と の連続性より
また であり,正の固定点は設問(1)によりただ1つだから
したがって