方針
まず fn(0)>0 と,x=log4/n で負になることから解の存在を示す。解があるなら方程式から enx≦4 が従い,解は 0≦x≦log4/n に閉じ込められる。この候補区間では sin(x/3)≧0 なので fn′(x)<0 となり,一意性が出る。極限は 0<an≦log4/n と,enan=2(1+cos(an/3)) を組み合わせて求める。
解答
(1)
まず fn(0)=1−21+1=23>0 である。一方,fn(nlog4)=1−21elog4+cos(3nlog4)=−1+cos(3nlog4)である。0<log4/(3n)<π だから cos(log4/(3n))<1 であり,fn(nlog4)<0 となる。よって中間値の定理により,fn(x)=0 は少なくとも1つの解をもつ。
次に一意性を示す。もし fn(x)=0 なら 21enx=1+cos3x であるから enx=2(1+cos3x)≦4 となる。したがって 0≦x≦nlog4 である。解はこの区間にしか存在しない。
この区間では 0≦x/3≦log4/3<π なので sin(x/3)≧0 である。よって fn′(x)=−2nenx−31sin3x<0 である。したがって fn は解が存在し得る区間で狭義単調減少であり,解はただ1つである。
(2)
(1)の解を an とする。上で示した範囲から 0<an≦nlog4 である。右辺は n→∞ で 0 に近づくので,はさみうちにより limn→∞an=0 である。
(3) fn(an)=0 より enan=2(1+cos3an) である。(2)より an→0 だから 2(1+cos3an)→4 となる。したがって enan→4 である。また 0<nan≦log4 であり,対数関数の連続性から nan→log4 である。よって n→∞limnan=log4 である。
別解
解法2(全区間の単調性を使う別解)
方針
x≧0でenx≧1かつsin(x/3)≧−1なので、導関数は常に−1/6以下である。したがって全区間で狭義単調減少する。fn(0)>0とfn(3π)<0から存在を示し、以後は方程式そのものから得る評価で極限を求める。
解答
(1)
x≧0ではfn′(x)=−2nenx−31sin3x≦−21+31=−61<0である。よってfnは[0,∞)で狭義単調減少する。またfn(0)=23>0,fn(3π)=1−21e3nπ−1=−21e3nπ<0であるから,中間値の定理と狭義単調性により,方程式fn(x)=0はただ1つの実数解をもつ。
(2)
その解をanとするとenan=2(1+cos3an)≦4である。an>0だから0<an≦nlog4となり,はさみうちによりan→0である。
(3)
上の等式の対数をとるとnan=log{2(1+cos3an)}である。(2)よりan→0なので,右辺はlog4へ収束する。したがってn→∞limnan=log4である。
総評
指数関数と三角関数が混ざるが,核心は解の範囲を先に 0≦x≦log4/n へ狭めることにある。目安時間は18分。全区間で単調性を示そうとすると sin(x/3) の符号で迷いやすいが,解があり得る範囲に限定すれば微分係数は確実に負になる。(3) では an→0 と enan→4 を分けて書き,最後に nan へ戻す流れが採点上読みやすい。
公式出題意図との対応:微分法と数列の極限を題材に、三角関数・指数関数の基本事項を用いて極限を論理的に決定する問題。解答では,この観点に対応する条件設定,途中式,必要十分性または検算を明示した。
出典確認:大阪大学公式の令和6年度ページ保存版で問題PDFの識別子と科目対応を確認した。問題本文は同年度の紙面PDF第1ページと原寸照合し,公式「出題の意図」も確認した。公式資料は数値解答ではなく出題意図のみである。
独立検算:n=1,2,5,20,100で解を二分法により求め、解の範囲とenan=2(1+cos(an/3))を数値照合した。
冊子PDFで見る阪大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 令和6年度一般選抜 数学B(理系数学) 公式問題・出題の意図(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。