方針
, と置くと,条件は二つの閉円板 , になる。 を の一次式で表し,二つの円板を回転・拡大して足した範囲を,中心 ,半径 の円板として読む。(2) は原点がちょうど境界上にある場合なので,三角不等式の等号成立条件から を一意に決める。
解答
(1) とおく。条件は である。また だから である。この2式から を消去して を表すと となる。
ここでである。したがって,三角不等式より である。
逆に,任意の複素数 が を満たすとき, で となるように,たとえば を と同じ向きに長さの比 で取ればよい。すると適当な が存在して を満たす。よって範囲は,複素数平面上で中心 ,半径 の円およびその内部である。
(2) のとき,中心 から原点までの距離は であり,これは(1)の半径と等しい。したがって三角不等式で等号が成立し,二つの成分 はいずれも中心 から原点へ向かう向きに最大の長さをとる必要がある。
中心から原点へ向かう向きは の向きである。よって であり, となる。
したがって である。2式を引くと だから である。さらに より となる。
総評
二次式の係数を直接動かすのではなく, と を新しい変数にするのが核心。目安時間は18分。範囲の中心 は のときの値で,半径は二つの円板の半径和として出る。(2) は単に連立方程式を解くだけでなく,原点が円板の境界上にあるため三角不等式の等号条件が働く,という説明が必要である。
公式出題意図との対応:複素数の演算と複素数平面上の図形的意味を結び付け、条件を活用する問題。解答では,この観点に対応する条件設定,途中式,必要十分性または検算を明示した。
出典確認:大阪大学公式の令和6年度ページ保存版で問題PDFの識別子と科目対応を確認した。問題本文は同年度の紙面PDF第2ページと原寸照合し,公式「出題の意図」も確認した。公式資料は数値解答ではなく出題意図のみである。
独立検算:の円板内標本から像が指定円板に入ることを確認し、、を元の3条件へ代入した。