Evolton

東北大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

平面上で放物線y=1x2x軸とで囲まれた図形に内接する三角形を考える.
放物線上の定点A(a,1a2) (0a1)を1頂点とする内接三角形の面積の最大値を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

微分図形と方程式 面積計算微分による最大最小、場合分け

方針

放物線と x 軸で囲まれた図形では,面積最大の三角形で固定点 A 以外の頂点を境界まで動かせる。下辺の途中の点は端点まで動かす方が有利なので,実質的に放物線上の2点を選ぶ問題になる。放物線上の点を (u,1u2),(v,1v2) と置き,面積を 12(ua)(va)(uv) に整理して,u,v の位置を場合分けして最大化する。

解答

放物線 y=1x2x 軸で囲まれた図形は,1x10y1x2 の部分である。固定点を A=(a,1a2)(0a1) とする。

面積を最大にする三角形では,A 以外の2頂点は境界上にあるとしてよい。内部にある頂点は,もう一方の頂点と A を結ぶ直線に対して面積が大きくなる方向へ境界まで動かせるからである。また x 軸上の端点以外の点は,(1,0) または (1,0) の方向へ動かすことで面積を小さくしない。したがって,放物線上の点 B=(u,1u2),C=(v,1v2)(1u,v1) を考えれば十分である。端点 (1,0),(1,0) もこの表示に含まれる。

三角形 ABC の面積を S とすると 2S=(ua){(1v2)(1a2)}(va){(1u2)(1a2)} である。整理すると2S=(ua)(a2v2)(va)(a2u2)=(ua)(av)(a+v)(va)(au)(a+u)=(ua)(va)(uv)となる。したがって S=12(ua)(va)(uv) である。

まず uav の場合を考える。このとき 2S=(au)(va)(vu) である。u を左へ動かし,v を右へ動かすほど3つの因子はいずれも小さくならないので,最大は u=1,v=1 で生じる。このとき S=12(a+1)(1a)2=1a2 である。

次に2点がどちらも a より左にある場合を考える。u<va としてよい。このとき 2S=(au)(av)(vu) である。ここで p=av,q=vu とおくと p0,q0,p+q=aua+1 であり 2S=(p+q)pq である。p+q が一定なら pqp=q のとき最大であり,さらに p+q は大きいほど有利なので p=q=a+12 のとき最大となる。このとき u=1,v=a12 であり S=12(a+1)34=(a+1)38 である。

2点がどちらも a より右にある場合も同じ考え方で,最大は (1a)38 である。これは 0a1(1a)381a2 を満たすので,全体の最大候補にはならない。

したがって求める最大値は max{1a2,(a+1)38} である。両者の大小を比べる。 1a2=(a+1)38 とおくと,a1 の範囲では 8(1a)(1+a)=(a+1)3 より 8(1a)=(a+1)2 である。すなわち a2+10a7=0 なので,0a1 にある解は a=425 である。

よって求める最大値は{1a2(0a425),(a+1)38(425a1)である。境目では2つの式は一致する。

別解

解法2

方針

放物線上の2点の座標を u<v とし、面積を3つの横方向の差の積へ因数分解する。固定点 a を2点がはさむ場合と同じ側にある場合で、非負な間隔を変数にして積を最大化する。

解答

放物線上の2点を B=(u,1u2),C=(v,1v2) (1u<v1) とする。境界上の端点もこの表示に含まれる。座標から面積 S を計算すると2S=(ua)(va)(vu).(1)まず uav とし、p=au,q=va とおく。このとき2S=pq(p+q),0pa+1,0q1a.右辺は p,q のそれぞれについて増加するので、u=1,v=1 のとき最大となりS=1a2.(2)次に u<va とする。p=vu,q=av とおくと2S=pq(p+q),p+q=aua+1.和が一定なら積 pqp=q のとき最大であり、その和も最大に取ればよい。したがって u=1v=(a1)/2 のときS=(a+1)38.(3)同様に au<v では最大値は (1a)3/8 であり、これは(2)以下である。

(2) 、(3)を比較すると、等しくなるのはa=425である。よって最大値は{1a2(0a425),(a+1)38(425a1)である。

総評

難易度は8,計算量は7程度である。想定時間は30分から42分程度。最大三角形の他の頂点を境界に置けることを説明し,放物線上の2点 u,v に帰着できるかが山場である。面積式 S=12(ua)(va)(uv) まで因数分解できれば,あとは u,va をはさむ場合と同じ側にある場合の比較になる。端点 (1,0),(1,0) を含む三角形と,左側に2点を取る三角形の競合を最後に比較する点が得点差になりやすい。

冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1985年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。