方針
まず f′(x) を a の一次式として求め、F(a)=∫−11{f′(x)}3dxを a の多項式として計算する。積分後は F′(a) の符号を調べれば極値が分かる。臨界点は a=−7/6 と a=0 であり、符号変化から a=0 が極小になる。最後に F(0) を代入して極小値を出す。
解答
f(x)=a(x−1)2(x+1)+x である。まず (x−1)2(x+1)=x3−x2−x+1 だから dxd{(x−1)2(x+1)}=3x2−2x−1=(x−1)(3x+1) である。したがって f′(x)=a(x−1)(3x+1)+1 である。
よってF(a)=∫−11{a(x−1)(3x+1)+1}3dxである。展開して積分すると F(a)=352(128a3+224a2+35) となる。したがって F′(a)=352(384a2+448a)=35128a(6a+7) である。
臨界点は a=−67,a=0 である。F′(a) の符号を調べると、a<−7/6 で正、−7/6<a<0 で負、a>0 で正である。したがって a=−7/6 では極大、a=0 では極小となる。
よって極小値はF(0)=∫−1113dx=2である。したがって求める極小値は 2 である。
別解
解法2(必要な積分値だけを計算)
方針
q(x)=(x−1)(3x+1) と置き、(1+aq)3 を展開する。対称区間で必要な3つの積分だけを計算して F(a) を作り、導関数の符号から局所的な極小値を決める。
解答
q(x)=3x2−2x−1 と置くと f′(x)=1+aq(x) である。対称区間で項別に積分すると∫−11q(x)dx=0,∫−11q(x)2dx=1564,∫−11q(x)3dx=35256.したがってF(a)=∫−11{1+aq(x)}3dx=2+564a2+35256a3.微分するとF′(a)=35128a(6a+7).その符号は −7/6<a<0 で負、a>0 で正であるため、a=0 で極小となる。よって極小値はF(0)=2.
総評
定積分で定まる3次関数F(a)の局所的極小を求める問題で、目安は26分。極小値は全体最小値ではないため、導関数の符号変化を明記する。対称区間の積分でaの一次項が消えることが計算の検算点である。
冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1986年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。