Evolton

東北大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

(1) 球x2+y2+z2+2x−4y+4z=16の平面6x−2y+3z=5による切り口である円Cの中心と半径を求めよ.

(2) 円C上のすべての点からの距離が32である点を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15分

ベクトル、図形と方程式 座標設定、計算整理

方針

球を標準形に直して中心と半径を求め、中心から切断平面へ下ろした垂線の足を切り口の中心とする。第(2)問では、円周上の全点から等距離の点は円の中心を通る垂線上にあることを示し、直角三角形で高さを決める。

解答

(1) 球の方程式を平方完成すると(x+1)2+(y−2)2+(z+2)2=25.したがって球の中心はS=(−1,2,−2)で、半径は5である。平面を6x−2y+3z−5=0と書くと、法線ベクトルは n=(6,−2,3)、その長さは7である。S を左辺に代入した値は −21 だから、S と平面の距離は3である。

切り口の中心 H は S から平面へ下ろした垂線の足なのでH=S−−2162+(−2)2+32n=(−1,2,−2)+37(6,−2,3)=(117,87,−57).切り口の半径を r とすると、球の中心・切り口の中心・円周上の点が作る直角三角形からr=52−32=4.(2) 求める点を T とする。円 C の中心を通る任意の直径の両端を U,V とすれば、TU=TV より T は線分 UV の垂直二等分面上にある。向きの異なる2本の直径について考えると、T は H を通り切断平面に垂直な直線上になければならない。

そこでT=H+λn7とおく。円周上の任意の点 X に対して HX=4、また HT⊥HX だからTX2=HT2+HX2=λ2+16.これが32に等しいので λ=±4 である。よってT=H±47(6,−2,3)=(5,0,1),(−137,167,−177).

別解

解法2:等距離条件を平面内成分で調べる

方針

切り口の中心 H を求めた後、求める点 T から H へのベクトルを、切断平面に平行な成分と垂直な成分に分ける。円周上の点を反対側へ動かしても距離が一定である条件から平行成分が0と分かり、残る垂直成分の長さを求める。

解答

(1) 球の中心は S=(−1,2,−2)、半径は5である。切断平面の法線方向を (6,−2,3) とすると、S を通る垂線は(x,y,z)=(−1,2,−2)+μ(6,−2,3)である。これを平面の式に代入すると−16+49μ=5,したがって μ=3/7 である。よって切り口の中心はH=(117,87,−57),半径は25−SH2=25−9=4である。

(2) HT→ の切断平面に平行な成分を p、垂直な成分を q とする。平面内の長さ4の任意のベクトルを u とすれば、円周上の点は H+u と表せるから∣T−(H+u)∣2=∣p−u∣2+∣q∣2.u と −u に対する値が等しいのでp⋅u=0が平面内のすべての u について成り立つ。ゆえに p=0 であり、T は H を通る法線上にある。

さらに32=TX2=∣q∣2+42より ∣q∣=4 である。単位法線ベクトルは (6,−2,3)/7 だから、求める2点はH±47(6,−2,3)=(5,0,1),(−137,167,−177)である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中5。切り口の中心が球の中心から切断平面へ下ろした垂線の足になることが中心である。第(2)問では、円周上の「すべて」の点から等距離という条件を、円の軸上にあるという結論へ丁寧につなぐ必要がある。座標を最後まで展開するより、中心・半径・垂線の幾何を保つと見通しがよい。目安時間は15分。

冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。