方針
まず図形 A の上下の境界の交点と全体の面積を求める。直線 y=ax+1 は上側の直線と x=1/(a−1)、下側の放物線と x=0 で交わるので、この短い線分が切り取る三角形状の部分を使って面積比を立てる。第(2)問では a=−1/8 を代入し、2曲線の交点間で円板の差を積分する。
解答
(1) 上側の直線と下側の放物線の差は(x+2)−(41x2+x+1)=1−4x2.両者の交点は x=±2 だから、図形 A の面積は∫−22(1−4x2)dx=38.(1)d=1−a とおくと、a<0 より d>1 である。直線 y=ax+1 と上側の直線 y=x+2 の交点の x 座標はc=a−11=−d1,また下側の放物線との A 内の交点は x=0 である。
直線より上側にある領域の面積は、c≦x≦0 にできる三角形状の部分と、0≦x≦2 の右半分の和である。前者は∫c0{(x+2)−(ax+1)}dx=∫−1/d0(dx+1)dx=2d1,後者は∫02(1−4x2)dx=34.したがって2領域の面積は34−2d1,34+2d1.小さい方が全体の3分の1、すなわち 8/9 だから34−2d1=98.これより d=9/8、したがってa=1−d=−81.(2) a=−1/8 のとき、直線と放物線の交点は−81x+1=41x2+x+1より x=0,−9/2 である。この区間では直線が放物線より上にあり、両曲線とも x 軸より上にある。円板の差で体積を表すとπV=∫−9/20{(1−8x)2−(4x2+x+1)2}dx=∫−9/20(−16x4−2x3−6495x2−49x)dx=[−80x5−8x4−19295x3−89x2]−9/20=12807533.5<12807533<6,12807533−5=12801133>21なので、最も近い整数は6である。
別解
解法2:小さい側の面積を直接計算する
方針
切断線と上側の直線との交点を x=−q とおく。小さい側の領域を、左半分の面積から2直線間の三角形を引いたものとして表すと、面積比から q がすぐ決まる。第(2)問は2曲線の差を先に因数分解して積分を整理する。
解答
(1) q=1/(1−a) とおくと 0<q<1 であり、切断線は上側の直線と x=−q で交わる。図形 A の左半分の面積は対称性から 4/3 である。x=−q から x=0 まで、上側の直線と切断線の間にできる部分は底辺 q、高さ1の三角形だから、その面積は q/2 である。
したがって小さい側の面積は34−2q.面積比が 1:2 で、全体の面積が 8/3 だから34−2q=98.よって q=8/9 であり1−a1=98からa=−81.(2) 2曲線の差は(1−8x)−(4x2+x+1)=−8x(2x+9).交点は x=−9/2,0 である。回転体の体積は和と差の積を使ってπV=∫−9/20[(1−8x)2−(4x2+x+1)2]dx=∫−9/20{−8x(2x+9)}(4x2+87x+2)dx=12807533.この値は 5.5 より大きく6より小さいので、最も近い整数は6である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中8。既存解答の「解なし」は誤りで、切断線が図形 A と交わる区間を取り違えたことが原因だった。上側の直線との交点が x=1/(a−1)、下側の放物線との交点が x=0 であることを図で確認すると、面積式を正しく立てられる。回転体では外半径と内半径を逆にせず、積分値 7533/1280 を小数に丸める前に 11/2 と比較するとよい。目安時間は25分。
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出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。