方針
軸が直線 y=x なので、軸方向の座標 u=(x+y)/2、軸に垂直な座標 v=(y−x)/2 に直して、固定した u での断面を調べる。曲線は軸対称だが、途中から断面が円板ではなく穴のある円環になるため、外半径と内半径を分けるのが決定的である。最後は断面積を u で積分して体積を求める。
解答
軸方向、軸に垂直な方向の座標を u=2x+y,v=2y−x とおく。このとき x=2u−v,y=2u+v であり、第1象限の条件は ∣v∣≦u である。
固定した u に対して、直線 x+y=2u 上の点が領域に入る条件を調べる。s=x+y=2u とおくと、曲線上では x+y=1 である。両辺を2乗すると s+2xy=1 となるので、曲線との交点があるためには s≦1 である。
まず 0≦s≦21、すなわち 0≦u≦221 のときは、線分 x+y=s、x≧0、y≧0 の全体が領域に含まれる。したがって回転断面は半径 u の円板で、面積は πu2 である。
次に 21≦s≦1、すなわち 221≦u≦21 のときを考える。曲線との交点は x+y=s,xy=4(1−s)2 を満たすので、2つの交点の x 座標の差は s2−(1−s)2=2s−1 である。よって軸から曲線までの内半径の2乗は (22s−1)2=2u−21 である。一方、外半径は第1象限の端点までの距離なので u である。したがってこの範囲の断面積は π{u2−(2u−21)} である。
以上より体積 V はV=π∫01/(22)u2du+π∫1/(22)1/2{u2−2u+21}duとなる。第1項は π[3u3]01/(22)=962π であり、第2項はπ[3u3−22u2+2u]1/(22)1/2=962πである。したがって V=482π である。
別解
解法2:軸に垂直な切り口を円板と円環に分ける
方針
回転軸 y=x に沿う座標を取り、軸に垂直な直線 x+y=s で領域を切る。0≦s≦1/2 では円板、1/2≦s≦1 では円環になることを、曲線との交点の差から直接求める。
解答
回転軸 y=x に沿う座標をu=2x+yとする。直線 x+y=s 上では u=s/2 である。
0≦s≦1/2 のとき、第一象限内の線分 x+y=s はすべて領域に含まれる。軸から端点までの距離は s/2=u なので、回転断面は半径 u の円板である。
1/2≦s≦1 のとき、曲線との交点ではx+y=s,xy=4(1−s)2.したがって2交点の x 座標の差はs2−(1−s)2=2s−1.軸から曲線までの距離の2乗は (2s−1)/2=s−1/2、外半径の2乗は s2/2=u2 である。
また ds=2du だから、s を用いて体積を書くとV=22π∫01/2s2ds+22π∫1/21{s2−(2s−1)}ds=22π(241+241)=482π.
総評
難度は10段階中8、計算量は10段階中7。軸が座標軸でない回転体なので、斜め座標に直す発想が必要である。最大の落とし穴は、x+y>21 で断面が円板ではなく円環になる点で、外半径だけを積分すると過大になる。試験場では25分程度を見込み、断面が変わる境目 u=221 と内半径の導出を明確に書きたい。
冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。