方針
2つの放物線の交点を先に求め、どちらが上にあるかを差で確認する。囲まれる部分は x=a から x=2a までだが、問題では x≦1 の部分だけを取るため、2a≦1 と 2a>1 で積分区間が変わる。最後は2つの式をそれぞれの範囲で最大化し、端点の値も比較する。
解答
2つの放物線の交点を求める。交点では −3x2=3x2−18ax+12a2 であるから 6x2−18ax+12a2=0 すなわち (x−a)(x−2a)=0 である。したがって交点の x 座標は x=a,x=2a である。
また、上下の差は C1−C2=−3x2−(3x2−18ax+12a2)=−6(x−a)(x−2a) である。a<x<2a では (x−a)(x−2a)<0 だから、C1 が C2 の上にある。
(1) 0<a≦21 のときは 2a≦1 であり、囲まれる図形全体が x≦1 に含まれる。よってS=∫a2a−6(x−a)(x−2a)dxである。x=a+t とおくと 0≦t≦a で −6(x−a)(x−2a)=−6t(t−a)=6t(a−t) だからS=∫0a6t(a−t)dt=6[2at2−31t3]0a=a3である。
(2) 21<a<1 のときは a<1<2a であるから、条件 x≦1 によって右端は x=1 になる。したがってS=∫a1−6(x−a)(x−2a)dxである。原始関数を求めると∫−6(x−a)(x−2a)dx=−2x3+9ax2−12a2xなので S=[−2x3+9ax2−12a2x]a1 である。整理して S=−2+9a−12a2+5a3 となり、これは S=(a−1)2(5a−2) である。
(3) 0<a≦21 では S=a3 なので、この範囲での最大値は a=21 のとき S=81 である。 21<a<1 では S=(a−1)2(5a−2) である。微分すると S′=2(a−1)(5a−2)+5(a−1)2 であり、S′=3(a−1)(5a−3) となる。21<a<1 では、a=53 を境に S′ は正から負に変わる。したがってこの範囲での最大は a=53 であり、S=(−52)2⋅1=254 である。254>81 なので、全体の最大値は 254 であり、そのとき a=53 である。
別解
解法2:全体の面積から切り落とす部分を引く
方針
2曲線の差を x=a+t で表すと 6t(a−t) になる。全体の面積は直ちに a3 と分かり、2a>1 の場合だけ x>1 の尾部を引く。
解答
2曲線の交点の x 座標はx=a,x=2aであり、その間での上下の差はC1−C2=−6(x−a)(x−2a).x=a+t と置けばC1−C2=6t(a−t).(1)
0<a≦1/2 では 2a≦1 なので、囲まれた部分全体を取る。よってS=∫0a6t(a−t)dt=a3.(2)
1/2<a<1 では、全体から 1<x<2a の部分を引く。t=x−a と置いたまま計算するとS=a3−∫1−aa6t(a−t)dt=a3−[3at2−2t3]1−aa=(a−1)2(5a−2).(3)
0<a≦1/2 では S=a3 は増加し、端でS=81.1/2<a<1 ではS′=3(a−1)(5a−3).したがって a=3/5 で増加から減少へ変わり、S=(−52)2⋅1=254.4/25>1/8 より、最大値は254,a=53.
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中6。交点が a,2a にあること自体は易しいが、x≦1 によって右端が切られるため場合分けが必要になる。面積の上下関係を差 −6(x−a)(x−2a) で確認してから積分すると符号ミスを避けやすい。試験場では18分程度で、最大値比較では a=21 の端点値も忘れないこと。
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出典: 東北大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。