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東北大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

f(x)x0で正の値をとる連続関数で,
次の関係式0xf(t)dt=xf(x)を満たすものとする.

(1) f(0)を求めよ.

(2) g(x)=f(x)とおく.
x>0g(x)の満たす微分方程式を求めよ.

(3) f(1)=12を満たすf(x)を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

積分微分関数 置換、計算整理、必要十分条件

方針

積分方程式は、まず x で割って x0+ の極限を取ることで f(0) を決める。次に g=f と置けば右辺が xg(x) になり、両辺を微分して1階微分方程式を得る。分離して解き、最後に f(1)=12 から定数を決める。正値性により平方根は正の枝だけを使う。

解答

(1)
与式は0xf(t)dt=xf(x)である。x>0 で両辺を x で割ると1x0xf(t)dt=f(x)となる。f は連続で正の値をとるので、x0+ とすると左辺は f(0)、右辺は f(0) に近づく。したがって f(0)=f(0) である。f(0)>0 より f(0)=1 である。

(2) g(x)=f(x) とおく。すると f(x)=g(x)2 であり、与式は0xf(t)dt=xg(x)となる。左辺は微分すると f(x)=g(x)2、右辺は微分すると g(x)+xg(x) である。よって x>0g(x)2=g(x)+xg(x) すなわち xg(x)=g(x)2g(x) である。

(3)
(2)の微分方程式を gg(g1)=1x と分離する。ただし g=1 の定数解も、以下の式で定数を 0 とする場合に含まれる。部分分数に直すと 1g(g1)=1g+1g1 であるから logg1g=logx+定数 となる。したがって、ある定数 C を用いて g1g=Cx と書ける。これを解くと g(x)=11Cx である。

条件 f(1)=12 より、g(1)>0 であることに注意して g(1)=12 である。したがって 11C=12 より C=12 である。よって g(x)=11+(21)x であり、求める関数は f(x)=1{1+(21)x}2 である。

別解

解法2:平方根の逆数を未知関数にする

方針

まず連続性から f(0) を決める。微分方程式を得た後、h=1/f と置くと一次方程式になり、初期条件を直接代入できる。

解答

(1)
x>0 で与式を x で割ると1x0xf(t)dt=f(x).x0+0 とすればf(0)=f(0).f(0)>0 よりf(0)=1.(2)g=f とおくと0xg(t)2dt=xg(x).両辺を微分してg(x)2=g(x)+xg(x),すなわちxg(x)=g(x){g(x)1}.(3)h(x)=1g(x)とおく。g>0 だからこの置換ができる。(2)からxh(x)=h(x)1.よってddx(h(x)1x)=0であり、ある定数 C を用いてh(x)=1+Cx.f(1)=1/2 から g(1)=1/2、したがって h(1)=2 なのでC=21.ゆえにf(x)=g(x)2=1{1+(21)x}2.

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。x=0 を直接代入しても情報は出ないため、平均値の極限として f(0) を読む必要がある。微分方程式では g が正であること、最後に g(1)=1/2 と正の平方根を取ることが重要である。試験場では20分程度で、分離後の定数決定まで丁寧に書きたい。

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出典: 東北大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。