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東北大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

Aの箱には黒球が8個と白球が2個,
Bの箱には黒球が4個と白球が6個,
Cの箱には黒球が3個と白球が7個入っているが,
外見から箱は区別できない.

いま1つの箱を指定し,「この箱はAである」という仮説Hをたてる.
この箱から3個の球を同時に取り出して,
その中に2個以上黒球が含まれていれば仮説Hを採択し,
そうでなければ,Hを棄却する検定法を考える.

(1) 仮説Hが正しいとき,誤って棄却してしまう確率を求めよ.

(2) 仮説Hが正しくないとき,誤って採択してしまう確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

確率場合の数 条件付き確率、数え上げ、場合分け

方針

3個の同時取り出しを組合せで数える。第(1)問は箱Aから黒球が1個以下となる確率、第(2)問は仮説が誤りという条件下で箱B・Cが等確率になることを確認し、それぞれから黒球が2個以上となる確率を平均する。

解答

(1) 箱Aには白球が2個しかないため、3個とも白球となることはない。仮説 H が正しいのに棄却されるのは、黒球1個、白球2個を取り出す場合だけである。よって8C12C210C3=8120=115.(2) 箱は外見から区別できず、1箱を無作為に指定するので、H が正しくないという条件の下では箱Bと箱Cの確率はそれぞれ 1/2 である。

箱Bから黒球を2個以上取り出す確率はPB=4C26C1+4C310C3=36+4120=13.箱Cの場合はPC=3C27C1+3C310C3=21+1120=1160.したがって仮説が誤りなのに採択する確率は12PB+12PC=12(13+1160)=31120.

別解

解法2:余事象の確率から計算する

方針

採択と棄却が互いに余事象であることを使う。箱Aでは採択確率から第1種の誤りを、箱B・Cでは棄却確率から誤採択確率を求める。直接計算との照合にもなる。

解答

(1) 箱Aから黒球を2個以上取り出す確率は8C22C1+8C310C3=56+56120=1415.したがって誤って棄却する確率は11415=115.(2) 箱Bで黒球が1個以下となる確率は4C06C3+4C16C210C3=20+60120=23.箱Cで同じ事象が起こる確率は3C07C3+3C17C210C3=35+63120=4960.したがって、箱がAでない条件下で棄却される確率は12(23+4960)=89120.求める誤採択確率はその余事象だから189120=31120.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。「仮説が正しいとき」と「正しくないとき」で、どちらの箱を使うかを最初に分ける。第(2)問では箱を無作為に指定したという設定から、非Aの条件下でB・Cが各 1/2 になる。分母はすべて 10C3=120 なので、採択と棄却の両側から計算して検算しやすい。目安時間は12分。

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出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。