方針
3個の同時取り出しを組合せで数える。第(1)問は箱Aから黒球が1個以下となる確率、第(2)問は仮説が誤りという条件下で箱B・Cが等確率になることを確認し、それぞれから黒球が2個以上となる確率を平均する。
解答
(1) 箱Aには白球が2個しかないため、3個とも白球となることはない。仮説 H が正しいのに棄却されるのは、黒球1個、白球2個を取り出す場合だけである。よって10C38C12C2=1208=151.(2) 箱は外見から区別できず、1箱を無作為に指定するので、H が正しくないという条件の下では箱Bと箱Cの確率はそれぞれ 1/2 である。
箱Bから黒球を2個以上取り出す確率はPB=10C34C26C1+4C3=12036+4=31.箱Cの場合はPC=10C33C27C1+3C3=12021+1=6011.したがって仮説が誤りなのに採択する確率は21PB+21PC=21(31+6011)=12031.
別解
解法2:余事象の確率から計算する
方針
採択と棄却が互いに余事象であることを使う。箱Aでは採択確率から第1種の誤りを、箱B・Cでは棄却確率から誤採択確率を求める。直接計算との照合にもなる。
解答
(1) 箱Aから黒球を2個以上取り出す確率は10C38C22C1+8C3=12056+56=1514.したがって誤って棄却する確率は1−1514=151.(2) 箱Bで黒球が1個以下となる確率は10C34C06C3+4C16C2=12020+60=32.箱Cで同じ事象が起こる確率は10C33C07C3+3C17C2=12035+63=6049.したがって、箱がAでない条件下で棄却される確率は21(32+6049)=12089.求める誤採択確率はその余事象だから1−12089=12031.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。「仮説が正しいとき」と「正しくないとき」で、どちらの箱を使うかを最初に分ける。第(2)問では箱を無作為に指定したという設定から、非Aの条件下でB・Cが各 1/2 になる。分母はすべて 10C3=120 なので、採択と棄却の両側から計算して検算しやすい。目安時間は12分。
冊子PDFで見る東北大の確率の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。