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東北大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

nを正の整数とする.
箱の中に3n枚のカードが入っていて,これらのカードには1から3nまでの番号がつけてある.
この箱から無作為に1枚のカードを取り出し,その番号をXとする.
次に,このカードを箱の中に戻し,ふたたび無作為に1枚のカードを取り出して,その番号をYとする.
このようにして得られた整数の組(X, Y)について,
「XとYの積XYは3nで割り切れる」という事象をAとする.

(1) 0≦j≦nである整数jに対し,
「Yは3jで割り切れるが3j+1では割り切れない」という事象をBjとおく.
事象A∩Bjが起こる確率P(A∩Bj)を求めよ.

(2) 事象Aが起こる確率P(A)を求めよ.

(3) 事象Aが起こったときに事象Bnが起こる条件つき確率をPA(Bn)とするとき,
13≦PA(Bn)<12が成立するようなnの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24分

確率、整数 素因数分解、条件付き確率、状態分類

方針

3で割れる回数に注目する。事象 Bj は、Y がちょうど 3j で割れることを表すので、そのような Y の個数を数える。XY が 3n で割り切れるには、Y 側で足りない 3 の個数を X 側が補えばよい。各 j について X の個数を数え、最後に j=0,1,…,n で和をとる。

解答

(1) 0≦j<n の場合を考える。Y が 3j で割り切れるが 3j+1 では割り切れないためには、1 から 3n までの中で 3j の倍数の個数 −3j+1 の倍数の個数 を数えればよい。これは 3n−j−3n−j−1=2⋅3n−j−1 個である。

このとき XY が 3n で割り切れるためには、X が少なくとも 3n−j で割り切れればよい。1 から 3n までの中で 3n−j の倍数は 3j 個である。したがってP(A∩Bj)=(2⋅3n−j−1)⋅3j3n⋅3n=23n+1である。

次に j=n の場合、Y は 3n で割り切れる。範囲内ではそのような Y は Y=3n の1つだけである。このとき X は何であっても XY は 3n で割り切れる。よって P(A∩Bn)=3n32n=13n である。

したがってP(A∩Bj)=23n+1 (0≦j<n),P(A∩Bn)=13nである。

(2)
事象 B0,B1,…,Bn は互いに重ならず、すべての場合を尽くしている。したがって P(A)=∑j=0nP(A∩Bj) である。(1)よりP(A)=n⋅23n+1+13n=2n3n+1+33n+1=2n+33n+1である。

(3)
条件つき確率は PA(Bn)=P(A∩Bn)P(A) である。よって PA(Bn)=1/3n(2n+3)/3n+1=32n+3 である。

これが 13≦32n+3<12 を満たす条件を求める。左側の不等式から 2n+3≦9 すなわち n≦3 である。右側の不等式から 6<2n+3 すなわち n>32 である。n は正の整数なので n=2,3 である。

別解

解法2:3の指数の組を数える

方針

1 から 3n の整数を、含む3の因数の個数で階層に分ける。事象 A は2枚の指数の和が n 以上であること。各階層の個数を用いて、条件付きの場合と全体の場合を同じ表から数える。

解答

Nr を、1 から 3n のうち「3r で割り切れるが
3r+1 では割り切れない」整数の個数とする。するとNr=2⋅3n−r−1(0≦r<n),Nn=1.(1)
Bj のもとで Y が含む3の因数はちょうど j 個である。
XY が 3n で割り切れるには、X が 3n−j の倍数であればよく、
その個数は 3j である。よって j<n ではP(A∩Bj)=Nj 3j32n=23n+1.j=n では Y=3n の1通りで、X は任意だからP(A∩Bn)=13n.(2)
B0,…,Bn は全体を分割するのでP(A)=∑j=0n−123n+1+13n=2n+33n+1.(3)PA(Bn)=P(A∩Bn)P(A)=32n+3.したがって13≦32n+3<12を解くと32<n≦3.n は正の整数なのでn=2, 3.

総評

3で割れる回数を分類して数える確率問題である。目安時間は24分。Bj の個数は、3j の倍数から 3j+1 の倍数を引くのが基本である。j=n だけは Y=3n の1通りになり、X が自由になるため別扱いが必要である。(3)は条件つき確率の分子分母を明確にしてから一次不等式に落とす。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。