方針
漸化式の変換 x↦(5x+8)/(x+3) の不動点を求める。2つの不動点からの差の比を取ると一定倍になるため、yn の a,b が決まり、等比数列から xn を逆算できる。
解答
(1) 変換の不動点はx=x+35x+8を満たす値である。整理するとx2−2x−8=(x−4)(x+2)=0だから、不動点は 4,−2 である。実際xn+1−4=xn+3xn−4,xn+1+2=xn+37(xn+2).よってxn+1+2xn+1−4=71xn+2xn−4.したがって a<b を満たす求める値はa=−4,b=2.(2)yn=xn+2xn−4とおくと、公比は 1/7 でy1=19+219−4=75.したがってyn=7n5.これを xn について解くと7n(xn−4)=5(xn+2),よってxn=7n−54⋅7n+10.(3) 分子・分母を 7n で割ればn→∞limxn=n→∞lim1−5/7n4+10/7n=4.
別解
解法2:不動点との差の逆数を一次漸化式にする
方針
極限候補4との差 xn−4 に注目し、その逆数 zn=1/(xn−4) を取る。zn は1次の非同次漸化式になり、定数を足して等比数列へ直せる。一般項から元の xn と極限を求める。
解答
(1) xn+1−4=xn+3xn−4,xn+1+2=xn+37(xn+2)だからxn+1+2xn+1−4=71xn+2xn−4.よってyn=xn+2xn−4が等比数列となりa=−4,b=2.(2) 別の形で一般項を求めるためzn=xn−41とおく。上の差の式からzn+1=xn−4xn+3=1+7zn.したがってzn+1+61=7(zn+61).z1=1/15 なのでz1+61=307でありzn+61=307n.よってzn=307n−5.これを xn=4+1/zn に戻すとxn=4+7n−530=7n−54⋅7n+10.(3) 上式から 30/(7n−5)→0 だからn→∞limxn=4.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。分数型漸化式では、変換の不動点を2つ求め、その差の比を取るのが基本である。a=−4, b=2 は不動点そのものではなく、分子・分母に現れる符号付きの値であることに注意する。一般項は初項を代入して yn=5/7n と確認すると添字ずれを防げる。目安時間は12分。
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出典: 東北大学 1989年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。