Evolton

東北大学 1991年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

楕円C:x2a2+y2b2=1 (a>0,b>0)と第1象限の点で接する直線をlとし,
Clおよびx軸,y軸で囲まれる図形をAとする.

(1) Aの面積を最小にするlの方程式を求めよ.

(2) (1)で求めた直線lで定まる図形Ax軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

積分図形と方程式 接線・法線面積計算体積計算

方針

接点を (acosϕ,bsinϕ) と置くと、接線は xcosϕ/a+ysinϕ/b=1 と書ける。図形 A の面積は、この接線と座標軸でできる三角形の面積から第1象限の楕円部分の面積を引いたものなので、sinϕcosϕ を最大にすればよい。(2)は最小時の直線でできる円錐から、半楕円体の体積を引く。

解答

(1)
接点を (acosϕ,bsinϕ) とおく。ただし第1象限の点なので 0<ϕ<π2 である。楕円 x2a2+y2b2=1 のこの点における接線は xcosϕa+ysinϕb=1 である。

この接線の x 切片は acosϕ であり、y 切片は bsinϕ である。したがって、接線と座標軸でできる三角形の面積は12acosϕbsinϕ=ab2sinϕcosϕである。

一方、第1象限にある楕円の部分の面積は、楕円全体の4分の1だから πab4 である。よって図形 A の面積は S(ϕ)=ab2sinϕcosϕπab4 である。

これを最小にするには、sinϕcosϕ を最大にすればよい。ここで sinϕcosϕ12 であり、等号は ϕ=π4 のときに成り立つ。したがって求める接線は xa2+yb2=1 すなわち xa+yb=2 である。

(2)
(1)の直線は、x 切片 a2y 切片 b2 をもつ。この直線と座標軸でできる三角形を x 軸のまわりに回転すると、高さ a2、底面半径 b2 の円錐ができる。その体積は 13π(b2)2(a2)=223πab2 である。

また、第1象限の楕円部分を x 軸のまわりに回転すると、半分の楕円体ができる。楕円体全体の体積は、半径方向の長さが a,b,b であるから 43πab2 であり、その半分は 23πab2 である。

したがって、求める体積は223πab223πab2=2πab2(21)3である。

別解

解法2:接線の切片を直接最小化する

方針

接線を切片形 x/u+y/v=1 とおく。楕円に接する条件はa2/u2+b2/v2=1 である。座標軸と接線の三角形の面積 uv/2 を相加相乗平均で最小化する。

解答

(1)
第1象限で楕円に接する直線をxu+yv=1(u>0, v>0)とおく。この直線が楕円に接する条件はa2u2+b2v2=1である。X=au,Y=bvとおけば X2+Y2=1 であり、uv=abXY.2XYX2+Y2=1より uv2ab で、等号は X=Y=1/2 のときに成り立つ。
図形 A の面積は、この接線と座標軸でできる三角形から一定の
楕円の第1象限部分を引いたものなので、同じときに最小となる。よってu=a2,v=b2,したがってxa+yb=2.(2)
接線と座標軸の三角形を回転すると、高さ a2、底面半径
b2 の円錐になる。その体積は13π(b2)2(a2)=223πab2.楕円の第1象限部分を回転したものは、半径 a,b,b の楕円体の半分で、
体積は23πab2.したがって求める体積は2πab2(21)3.

総評

楕円の接線、面積最小、回転体体積が一続きになった問題である。目安時間は24分。接点を (acosϕ,bsinϕ) と置くと、接線と切片が一気に整理できる。面積最小は sinϕcosϕ1/2 に帰着する。(2)は「円錐から半楕円体を引く」と見れば、積分なしで短く計算できる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1991年度 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。