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東北大学 1991年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

aを正の実数とし,nを正の整数とする.

(1) naπを越えない最大の整数をmとするとき2m0nasinxdx<2(m+1)が成り立つことを示せ.

(2) limn0asinnxdxを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

積分三角関数 定積分評価、はさみうち、置換

方針

sinx は周期 π で、1周期分の面積は 2 である。mna/π<m+1 なので、区間 [0,na] には完全な周期が m 個入り、残りは1周期未満で面積が 0 以上 2 未満になる。(2)は u=nx と置いて(1)の評価を n で割り、m/na/π を使う。

解答

(1) sinx は周期 π の関数である。また1周期分の面積は 0πsinxdx=2 である。 mna/π を越えない最大の整数なので mnaπ<m+1 である。したがって mπna<(m+1)π である。

区間 [0,mπ] には sinx の完全な周期が m 個入るので 0mπsinxdx=2m である。また残りの区間 [mπ,na] は長さが π 未満であり、その上での面積は0以上、1周期分の面積2未満である。よって 0mπnasinxdx<2 である。

したがって 2m0nasinxdx<2m+2=2(m+1) である。よって 2m0nasinxdx<2(m+1) が示された。

(2) u=nx とおくと du=ndx であるから 0asinnxdx=1n0nasinudu である。

(1) より 2mn0asinnxdx<2(m+1)n である。また mnaπ<m+1n で割ると mnaπ<m+1n である。したがってlimnmn=aπ,limnm+1n=aπである。

よってはさみうちにより limn0asinnxdx=2aπ である。したがって 2aπ を得る。

別解

解法2:余り区間まで正確に積分する

方針

na=mπ+r (0r<π) とおく。完全な周期部分の面積は 2m、余りは 1cosr と正確に書ける。この式を変数変換後の積分へ代入して極限を取る。

解答

(1) na=mπ+r(0r<π)と書く。sinx は周期 π で、1周期の面積は2である。したがって0nasinxdx=2m+0rsinxdx=2m+1cosr.01cosr<2だから2m0nasinxdx<2(m+1).(2)
u=nx とおくと0asinnxdx=1n0nasinudu=2m+1cosrn.またnaπ=m+rπよりmnaπ.さらに01cosrn2n0.したがってlimn0asinnxdx=2aπ.

総評

周期関数の面積平均を、整数部分で評価して求める問題である。目安時間は14分。sinx の周期が π で1周期の面積が 2 であることを先に確認する。(1)の不等式は、完全な周期 m 個と余り1周期未満に分けるだけで出る。(2)は置換後に(1)を n で割り、m/na/π を明示する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 後期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。