方針
(1) は行列の積を直接計算し、右辺 と成分ごとに一致することを確かめる。(2)は数学的帰納法を使う。基底 は(1)で として確認し、帰納法の段階では(1)に加えて を使って係数を整理する。
解答
(1)
定義よりである。これらを掛けるとである。
一方であるからである。よって が成り立つ。
(2)
まず のとき、(1)で とおくと であり、これは求める式 そのものである。
次に、ある で が成り立つと仮定する。このとき であるから である。
ここで(1)より である。また直接計算すると である。したがってである。よって でも成り立つ。
以上より、数学的帰納法によって、すべての整数 で が成り立つ。
別解
解法2:平方すると0になる部分を分離する
方針
とおくと 、 である。積では を2個以上含む項が消えるため、(1)も(2)も一度に計算できる。
解答
とおく。直接掛けるとであり、またである。
(1) (2)
を展開すると、 のため を2個以上含む項は
すべて0である。 を1個だけ含む項は 個あるので一方であるからこれで に対する式が示された。
総評
行列積の恒等式を直接計算し、それを帰納法に利用する問題である。目安時間は16分。(2)では帰納法の仮定に左から を掛けるだけでなく、 を明示して係数を整理する必要がある。計算量は多くないが、 の係数整理を丁寧に書くことが得点点である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。