方針
から、この1次変換は戻す操作をもつので、異なる点が同じ点に移ることはない。(1)はこれで示す。(2)は3点の行き先が3点の並べ替えになることを使い、1点が動かない場合には残り2点が動かないか入れ替わるかしかなく、いずれも 、 と矛盾する。(3)は3点が巡回する2通りを場合分けし、 が基準になることから行列と を決める。
解答
(1) であるから、 に対応する1次変換 は、 を3回行うと元に戻る。したがって、もし なら、両辺にさらに を2回行って となる。つまり異なる点が同じ点へ移ることはない。
点 は相異なるので、 も相異なる。よって である。
(2)
(1)より、 は の並べ替えである。
もし、たとえば であるとする。このとき残りの は、どちらも動かないか、互いに入れ替わるかのどちらかである。もし も動かないなら、 と は動かない。 は平面の基準になる2方向を与えているので、この場合は となり、条件 に反する。
一方、 が入れ替わるなら である。このとき となるが、 だから でなければならない。これは に反する。
したがって は不可能である。同じ議論は についても成り立つ。よって である。
(3)
(1)(2)より、3点は巡回する。可能性は または の2通りである。
まず の場合を考える。行列をとする。 が に移るので、第1列はである。また が に移るので、第2列はである。したがってである。さらに が に移るのでである。すなわち である。これより である。 を代入して だから である。よって である。このときである。
次に の場合を考える。 が に移るので第1列は 、 が に移るので第2列は である。したがってである。さらに が に移るのでである。すなわち である。 を代入すると であり だから である。このときである。
以上よりまたはである。
別解
解法2:3点の巡回を基底上で追う
方針
から変換が1対1であり、3点の行き先は置換になる。固定点や2点交換を排除して3点巡回に絞る。 を の一次結合で表し、巡回条件を係数比較して を決める。
解答
(1)
なら、両辺へさらに を2回行うことでとなる。よって は1対1であり、 は相異なる。
(2)
3点の行き先は の置換である。1点が固定されると、残り2点は
ともに固定されるか交換される。前者では独立な がともに固定されて
、後者では がその2点を交換したままになり、いずれも条件に反する。
したがって3点はいずれも固定されない。
(3)
ゆえに3点は巡回する。まずとする。と書けば、線形性からよってしたがって である。よってこの巡回を表す行列は、 から逆向きの巡回でも同様に となり、したがって で、 は上の2通りである。
総評
1次変換が3点をどのように並べ替えるかを論理的に絞る問題である。目安時間は28分。(1)は から同じ点へ重なることがないと示す。(2)は1点が動かない場合を丁寧に排除するのが山場である。(3)では残る2通りの巡回だけを調べ、、 から行列の列を決めると計算が短い。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。