方針
まず行列積を実際に計算し,対応する成分を比較する。非対角成分は と に分かれるので, の場合と の場合に整理する。(2)では(1)の分類をそのまま使い, を代入して, から残りの成分を決める。特に のときは , のときは回転型の形になり,どちらも に帰着する。
解答
(1)
直接計算するとである。したがって が成り立つための条件は である。後者は と書ける。
まず から, または である。 のときは は自動的に成り立つ。 のとき,もし なら の場合に含まれる。 なら なので が必要である。
よって求める関係は である。
(2) とする。(1)の分類に従って調べる。
まず の場合, であるから は を意味する。すなわちである。成分を比較すると となる。第一式から であり,特に なので第二式から である。したがってを得る。
次に かつ の場合,である。このときだから, となるためには であればよい。よって であり,を得る。
以上より,求める行列はである。
別解
解法2
方針
であることを利用する。(1)では と
の対角・非対角成分を「行と列の長さ・内積」として比較する。
(2)では を、2本の行ベクトルが単位ベクトルで互いに直交する条件として解く。
解答
(1)
である。 の対角成分は2本の行の長さの二乗,
の対角成分は2本の列の長さの二乗である。したがってより を得る。また非対角成分の比較からである。ゆえに必要十分な関係はである。実際、どちらの場合も上の2条件を満たすので十分性も確認できる。
(2)
より、 の2本の行は長さ1で互いに直交する。
だから、第1行の長さから第1列の長さから同様に である。行の直交条件は のとき 、 のとき となる。したがっての4個である。各行列について を直接確かめられる。
総評
行列積の成分比較から場合分けに持ち込む問題である。目安時間は18分。(1)では だけで終わらせず,もう一つの条件 と組み合わせて必要十分に整理することが重要である。(2)は(1)の分類を利用すると計算が半分になる。 の場合と の場合を混同すると符号違いの行列を落としやすい。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。行列を明示する問題なので、当時の高校課程に含まれる2次行列だけを用いている。