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東北大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

行列A=(aabb)によって定まる1次変換をfとおき,
原点Oと異なる2点P1(x1,y1)P2(x2,y2)fによる像をP1P2と表す.
OP1OP2
OP1OP2がそれぞれ,
互いに直交するとき,次の問に答えよ.
ただし,x10y10a>b>0とする.

(1) {}OP1x軸のなす角
θ (0θπ2)を求めよ.

(2) {}Oを中心とする半径1の円周上の点Pfによる像をPとする.
OPの大きさの最大値と最小値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列ベクトル 内積の利用三角比の利用、範囲評価

方針

P1 の方向を (cosθ,sinθ) と置き、直交する P2 の方向を (sinθ,cosθ) と取る。倍率は内積の0条件には影響しない。変換後の2つのベクトルの内積を計算すると (b2a2)cos2θ となり、a>b>0 から θ=π/4 が決まる。(2)は (xy)/2(x+y)/2 を使って単位円上の最大最小に直す。

解答

(1) x10y10 なので、OP1 の方向を (cosθ,sinθ) とおくことができる。ただし 0θπ/2 である。OP2OP1 と直交するので、向きとして (sinθ,cosθ) を取ればよい。長さの倍率は、変換後の内積が0であるかどうかには影響しない。

変換は (x,y)(a(xy), b(x+y)) である。したがって (cosθ,sinθ)(a(cosθsinθ), b(cosθ+sinθ)) に移る。また (sinθ,cosθ)(a(sinθcosθ), b(sinθ+cosθ)) に移る。

これらの内積が0であるから0=a2(cosθsinθ)(sinθcosθ)+b2(cosθ+sinθ)(cosθsinθ)=(b2a2)(cos2θsin2θ)=(b2a2)cos2θである。a>b>0 より b2a20 なので cos2θ=0 である。0θπ/2 より θ=π4 である。

(2)

円周上の点 P=(x,y) について x2+y2=1 である。移った点を P とすると OP=(a(xy), b(x+y)) であるから OP2=a2(xy)2+b2(x+y)2 である。

ここで p=xy2,q=x+y2 とおくと p2+q2=x2+y2=1 であり、OP2=2a2p2+2b2q2 である。p2+q2=1a>b>0 だから、最大は p2=1q2=0 のときで OPmax2=2a2 である。最小は p2=0q2=1 のときで OPmin2=2b2 である。

したがって OPmax=2a,OPmin=2b である。

別解

解法2

方針

変換後の内積を ATA で表す。直交する単位方向 e,e に対して eTATAe=0 を計算し、方向を決める。(2)は (xy)2+(x+y)2=2 を使い、2項の重み付き和として長さの範囲を読む。

解答

(1)

P1 の単位方向をe=(cosθsinθ),e=(sinθcosθ)とする。変換後も直交する条件は(Ae)(Ae)=eTATAe=0.ここでATA=(a2+b2a2+b2a2+b2a2+b2).計算するとeTATAe=(b2a2)cos2θ.a>b>0 だから cos2θ=00θπ/2 よりθ=π4.(2)

P=(x,y)x2+y2=1 とするとOP2=a2(xy)2+b2(x+y)2.また(xy)2+(x+y)2=2.a>b>0 なので、(xy)2=2 のとき最大、(xy)2=0 のとき最小である。したがってOPmax=2a,OPmin=2b.最大は x=y=±1/2、最小は x=y=±1/2 のときに得られる。

総評

直交条件を方向ベクトルで処理し、変換後の長さを二乗で最大最小化する問題。(1)では P2 の長さを具体的に置く必要はなく、直交方向だけを取ればよい。内積が (b2a2)cos2θ まで落ちるため、a>b の条件で係数が0でないことを明記する。(2)は xyx+y の組に直すと、単位円上の重み付き平均の最大最小としてすぐ読める。 方向ベクトル計算と ATA の二方法で直交方向と伸縮率を照合した。

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出典: 東北大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。