方針
短針と長針のなす角だけが本質である。時計の針の相対的な角度は時間とともに一周するので,その角を θ とおいて cosθ が [−1,1] を動くと考えればよい。横座標を X=∣a+b∣,縦座標を Y=a⋅b とし,内積公式から X2=5+2Y を作る。最後に Y の範囲から X の範囲を忘れずに付ける。
解答
横座標を X=∣a+b∣, 縦座標を Y=a⋅b とおく。短針と長針のなす角を θ とすると,∣a∣=1,∣b∣=2 であるから Y=∣a∣∣b∣cosθ=2cosθ である。時計の長針と短針の相対的な角度は一周するので,cosθ は [−1,1] のすべての値をとる。したがって −2≦Y≦2 である。
また,内積を用いるとX2=∣a+b∣2=∣a∣2+∣b∣2+2a⋅b=1+4+2Yとなる。よって Y=2X2−5 である。さらに −2≦Y≦2 を上式に対応させると 1≦X≦3 である。
したがって,点の動く範囲は Y=2X2−5,1≦X≦3 である。図示すると,(1,−2) から (3,2) までの放物線 Y=(X2−5)/2 の弧である。
別解
解法2
方針
2本の針とその和ベクトルが作る三角形に余弦定理を用いる。
針のなす角を θ として横座標の二乗と縦座標を同じ cosθ で表し、消去する。
解答
点の座標を (X,Y)、2本の針のなす角を θ とする。
長さ1と2の2辺の和ベクトルに余弦定理を用いるとX2=12+22+2⋅1⋅2cosθ=5+4cosθ.一方、内積の定義からY=1⋅2cosθ=2cosθ.よって cosθ を消去してX2=5+2Y,Y=2X2−5を得る。2本の針の相対角は一周するから −1≦cosθ≦1 の全範囲をとる。
したがって−2≦Y≦2,1≦X≦3.求める軌跡はY=2X2−5,1≦X≦3であり、端点 (1,−2),(3,2) を含む放物線の弧である。
総評
余弦定理と内積から放物線の式を得る。1≦X≦3 と両端点まで明記する。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合し、高校数学の範囲内で完結させた。
冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1992年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。