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東北大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

x についての3次方程式2x33(a+b)x2+6abx2a2b=0が3つの相異なる実数解をもつとする.
このとき点 (a,b) の存在する範囲を求め,それを図示せよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

方程式・不等式図形と方程式 判別式、範囲評価、必要十分条件

方針

3次方程式の左辺を F(x) とおき,導関数で極大・極小を調べる。F(x)=6(xa)(xb) となるので,臨界点は a,b である。3つの相異なる実数解をもつには,極大値と極小値が x 軸をはさむ必要がある。a<ba>b で極大・極小の順番が入れ替わるが,F(a)F(b) を計算すると同じ条件 a0b(b2a)>0 にまとまる。

解答

左辺を F(x)=2x33(a+b)x2+6abx2a2b とおく。導関数は F(x)=6x26(a+b)x+6ab=6(xa)(xb) である。

3次方程式が3つの相異なる実数解をもつためには,グラフが極大値と極小値をもち,その二つの値が x 軸をはさんでいなければならない。そこで F(a)F(b) を計算する。 F(a)=2a33(a+b)a2+6a2b2a2b=a2(ba) であり,F(b)=2b33(a+b)b2+6ab22a2b=b(ba)(b2a) である。

まず a<b の場合を考える。このとき F(x) の符号は +(x<a),(a<x<b),+(b<x) となるので,x=a で極大,x=b で極小をとる。したがって3つの相異なる実数解をもつための条件は F(a)>0,F(b)<0 である。ここで a<b なら ba>0 だから,F(a)>0a0 と同値であり,F(b)<0b(b2a)>0 と同値である。

次に a>b の場合を考える。このとき x=b で極大,x=a で極小をとる。よって条件は F(b)>0,F(a)<0 である。a>b なら ba<0 なので,この場合も同じく a0,b(b2a)>0 に整理される。

なお a=b のときは極大・極小が分かれず,3つの相異なる実数解はもてないが,この場合は b(b2a)=a2 となって上の条件に含まれない。

以上より,点 (a,b) の存在する範囲は a0,b(b2a)>0 である。図示すると,直線 b=0 と直線 b=2a を境界として,b>0 かつ b>2a または b<0 かつ b<2a を満たす部分であり,境界線は含まない。さらに a=0 上の点は除く。

別解

解法2

方針

式の斉次性を使い、a0 のもとで x=au, t=b/a と規格化する。
2つの停留点での関数値の積だけを調べ、条件を t<0 または t>2 に落とす。

解答

左辺を F(x) とする。a=0 なら F(0)=F(0)=0 となり、
x=0 が重解なので条件を満たさない。よって a0 である。x=au,t=baとおくとF(au)=a3G(u),G(u)=2u33(1+t)u2+6tu2t.またG(u)=6(u1)(ut)なので停留点は u=1,t である。その値はG(1)=t1,G(t)=t(t1)(t2).3次関数が3つの相異なる実数解をもつための必要十分条件は、異なる2つの停留点での値が
0をはさむことである。ここでG(1)G(t)=t(t2)(t1)2.したがって積が負となる条件はt(t2)>0,t<0 または t>2.t=1 はこの範囲に入らず、停留点が一致する場合も自動的に除かれる。
t=b/a に戻すとba<0またはba>2.分母の符号を含めて一つの式にまとめればa0,b(b2a)>0.すなわち直線 b=0b=2a を境界としてb>0, b>2aまたはb<0, b<2aの領域であり、境界は含まない。

総評

3次関数の極大・極小を使って実数解の個数を判定する問題である。目安時間は25分。導関数が 6(xa)(xb) ときれいに因数分解されるため,判別式よりもグラフで考える方が条件の意味を追いやすい。F(a)=a2(ba)F(b)=b(ba)(b2a) の計算が山場である。最後に a=0 を除く点を忘れると,重解を含む場合まで入れてしまう。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合し、高校数学の範囲内で完結させた。

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出典: 東北大学 1992年度 前期 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。