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東北大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

a,b,c をそれぞれ1より大きな数とする.次の問に答えよ.

(1) 次の不等式を示せ.log⁡aba+log⁡bcb+log⁡cac>1(2)  次の不等式を示せ.log⁡aba+log⁡bcb+log⁡cac<2(3)log⁡aba+log⁡bcb+log⁡cac=32となるための必要十分条件を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18分

指数・対数、方程式・不等式 置換、不等式評価、必要十分条件

方針

対数の底をそろえるため,x=log⁡a,y=log⁡b,z=log⁡c と置く。a,b,c>1 なので x,y,z はすべて正であり,分母の符号を心配せずに通分できる。和を S とおき,S−1,2−S,S−3/2 を同じ正の分母で整理する。(3)は分子の因数分解から,どの二つの対数が等しいかを読む。

解答

x=log⁡a,y=log⁡b,z=log⁡c とおく。a,b,c>1 より x>0,y>0,z>0 である。またlog⁡aba=xx+y,log⁡bcb=yy+z,log⁡cac=zz+xである。和を S=xx+y+yy+z+zz+x とおく。

(1)
分母 D=(x+y)(y+z)(z+x) は正である。通分して整理すると S−1=x2y+xyz+xz2+y2zD である。分子の各項はすべて正であるから S−1>0 である。したがって log⁡aba+log⁡bcb+log⁡cac>1 が成り立つ。

(2)
同じ分母で整理すると 2−S=x2z+xy2+xyz+yz2D である。これも分子の各項がすべて正であるから 2−S>0 である。よって log⁡aba+log⁡bcb+log⁡cac<2 が成り立つ。

(3) S−3/2 を同じ分母で整理すると S−32=(x−y)(x−z)(y−z)2(x+y)(y+z)(z+x) である。分母は正なので,S=3/2 となるための必要十分条件は (x−y)(x−z)(y−z)=0 である。これは x=yまたはx=zまたはy=z を意味する。

対数は同じ底でとっているので,x=y は a=b,x=z は a=c,y=z は b=c と同値である。したがって必要十分条件は a=bまたはb=cまたはc=a である。

別解

解法2

方針

分母を3数の和で比較して、通分せずに 1<S<2 を示す。
等号条件だけは S−3/2 の分子を因数分解し、必要十分性を確認する。

解答

x=log⁡a, y=log⁡b, z=log⁡c とおくと x,y,z>0 であり、S=xx+y+yy+z+zz+x.(1)

x+y<x+y+z などからxx+y>xx+y+z,yy+z>yx+y+z,zz+x>zx+y+z.加えると S>1 である。

(2) 3−S=yx+y+zy+z+xz+x.右辺の各項を同様に x+y+z を分母とする分数と比較すれば 3−S>1、
すなわち S<2 を得る。

(3)

正の数D=(x+y)(y+z)(z+x)を分母として整理すると2D(S−32)=(x−y)(x−z)(y−z).したがって S=32 の必要十分条件は(x−y)(x−z)(y−z)=0.これは x,y,z のうち少なくとも2つが等しいことと同値であり、
対数関数は単調だからa=bまたはb=cまたはc=aが必要十分条件である。

総評

対数を正の文字に置き換えて通分する不等式問題である。目安時間は18分。a,b,c>1 から x,y,z>0 が保証されるため,分母の符号を気にせず大小比較できる。(1)(2)は通分後の分子が正項の和になることを示すのが本質である。(3)では S−3/2 が三つの差の積に因数分解されるため,等号条件を「どれか二つが等しい」と正確に戻すことが大切である。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合し、高校数学の範囲内で完結させた。

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出典: 東北大学 1992年度 前期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。