方針
点 を通る直線 が存在する条件を、 についての二次方程式が実数解をもつ条件に直す。(1)は判別式から双曲線で囲まれる範囲を得るが、退化する点 は有限の では通らないので除く。(2)はさらに という根の符号条件を加え、 の符号で上下の範囲を分ける。
解答
(1)
点 が 上にある条件は である。両辺に を掛けて整理すると である。したがって、ある実数 が存在するためには、この についての方程式が実数解をもてばよい。
判別式は である。よって すなわち が必要である。
ただし のとき、もとの方程式は となり、実数 は存在しない。逆に、この点を除けば上の条件で実数解が存在する。したがって通りうる範囲は である。図では、2つの曲線 に挟まれる部分で、上の頂点 だけを除いた範囲である。
(2)
(1) の二次方程式が、さらに の解をもつ条件を調べる。 のとき、 で となり、 を増やすと上側の境界まで到達できる。式で見ると、判別式条件に加えて下端は である。したがって である。 のときは であり、 で を動く。 のときは、上側の直線 には有限の では達しない。一方、下側の境界 は判別式が0となる正の で達する。したがって である。
まとめると、求める範囲はである。
直線族の包絡
別解
解法2
方針
半角置換 により、直線族を単位円上の方向ベクトルで表す。通過範囲は内積の最大・最小として読み取り、 が有限であるため届かない境界も明示する。
解答
とおくとよって(1)
は に対応する。固定した に対しの最大・最小は原則としてである。ただし は有限の に対応せず、この欠落が
だけを除く。したがって(2)
は に対応する。この半円上で内積の
最大・最小を調べると 側の不等号が厳しいのは、 が含まれないためである。
総評
直線族の通過範囲を、パラメータの実数解条件で調べる問題。目安時間は25分前後。(1)では判別式だけでほぼ決まるが、 は二次式が退化して実際には通らない点なので注意が必要である。(2)は の制限により左右非対称になる。図示では境界を含むか含まないかを、特に 付近で明確にしたい。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。