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東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

実数tに対して,xy平面上の直線ltを次のように定義する.lt:y=1t2+1(4tx+t2−1)(1) tが実数全体を動くとき,ltの通りうる範囲を図示せよ.

(2) tがt≧0のすべてを動くとき,ltの通りうる範囲を図示せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

図形と方程式 判別式、軌跡、場合分け

方針

点 (x,y) を通る直線 lt が存在する条件を、t についての二次方程式が実数解をもつ条件に直す。(1)は判別式から双曲線で囲まれる範囲を得るが、退化する点 (0,1) は有限の t では通らないので除く。(2)はさらに t≧0 という根の符号条件を加え、x の符号で上下の範囲を分ける。

解答

(1)

点 (x,y) が lt 上にある条件は y=4tx+t2−1t2+1 である。両辺に t2+1 を掛けて整理すると (y−1)t2−4xt+(y+1)=0 である。したがって、ある実数 t が存在するためには、この t についての方程式が実数解をもてばよい。

判別式は (−4x)2−4(y−1)(y+1)=16x2−4(y2−1) である。よって 16x2−4(y2−1)≧0 すなわち y2≦4x2+1 が必要である。

ただし (x,y)=(0,1) のとき、もとの方程式は 2=0 となり、実数 t は存在しない。逆に、この点を除けば上の条件で実数解が存在する。したがって通りうる範囲は y2≦4x2+1ただし (0,1) を除く である。図では、2つの曲線 y=±4x2+1 に挟まれる部分で、上の頂点 (0,1) だけを除いた範囲である。

(2)

(1) の二次方程式が、さらに t≧0 の解をもつ条件を調べる。 x>0 のとき、t=0 で y=−1 となり、t を増やすと上側の境界まで到達できる。式で見ると、判別式条件に加えて下端は y=−1 である。したがって −1≦y≦4x2+1(x>0) である。 x=0 のときは y=t2−1t2+1 であり、t≧0 で −1≦y<1 を動く。 x<0 のときは、上側の直線 y=1 には有限の t≧0 では達しない。一方、下側の境界 y=−4x2+1 は判別式が0となる正の t で達する。したがって −4x2+1≦y<1(x<0) である。

まとめると、求める範囲は{−1≦y≦4x2+1(x>0),−1≦y<1(x=0),−4x2+1≦y<1(x<0)である。

【直線族の包絡】

別解

解法2

方針

半角置換 t=tan⁡(ϕ/2) により、直線族を単位円上の方向ベクトルで表す。通過範囲は内積の最大・最小として読み取り、t が有限であるため届かない境界も明示する。

解答

t=tan⁡ϕ2とおくと4t1+t2=2sin⁡ϕ,t2−1t2+1=−cos⁡ϕ.よってlt: y=2xsin⁡ϕ−cos⁡ϕ.(1)
t∈R は −π<ϕ<π に対応する。固定した x に対し2xsin⁡ϕ−cos⁡ϕの最大・最小は原則として±4x2+1である。ただし ϕ=±π は有限の t に対応せず、この欠落が
(x,y)=(0,1) だけを除く。したがってy2≦4x2+1,(x,y)≠(0,1).(2)
t≧0 は 0≦ϕ<π に対応する。この半円上で内積の
最大・最小を調べると{−1≦y≦4x2+1(x>0),−1≦y<1(x=0),−4x2+1≦y<1(x<0).y=1 側の不等号が厳しいのは、ϕ=π が含まれないためである。

総評

直線族の通過範囲を、パラメータの実数解条件で調べる問題。目安時間は25分前後。(1)では判別式だけでほぼ決まるが、(0,1) は二次式が退化して実際には通らない点なので注意が必要である。(2)は t≧0 の制限により左右非対称になる。図示では境界を含むか含まないかを、特に y=1 付近で明確にしたい。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。

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出典: 東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 文系(後期) 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。