方針
直線を楕円に代入し、まず交点が相異なる2点になるための判別式条件を出す。次に2つの交点の y 座標を y1,y2 とし、両方が正である条件を y1+y2>0、y1y2>0 に直す。最後に判別式条件と合わせて、ab 平面では b>∣a∣ と b<a2+4 に挟まれる領域として図示する。
解答
直線 y=ax+b を楕円 4x2+y2=4 に代入すると 4x2+(ax+b)2=4 である。整理して (a2+4)x2+2abx+b2−4=0 を得る。交点が相異なる2点であるためには、この2次方程式が相異なる2つの実数解をもてばよい。判別式を D とするとD=(2ab)2−4(a2+4)(b2−4)=16(a2+4−b2)であるから、b2<a2+4 が必要十分である。
次に、2つの交点の y 座標を y1,y2 とする。対応する x 座標を x1,x2 とすれば、yi=axi+b である。解と係数の関係より x1+x2=−a2+42ab,x1x2=a2+4b2−4 であるから、y1+y2y1y2=a(x1+x2)+2b=a2+48b,=(ax1+b)(ax2+b)=a2+44(b2−a2).2つの y 座標がともに正であるためには y1+y2>0,y1y2>0 が必要十分である。分母は正なので、これは b>0,b2>a2 と同値である。
以上を合わせると、求める範囲は b>0,a2<b2<a2+4 である。b>0 と b2>a2 から b>∣a∣ であるから、ab 平面では ∣a∣<b<a2+4 で表される開いた領域である。境界 b=∣a∣ および b=a2+4 は含まれない。
別解
解法2
方針
楕円を x=cost, y=2sint と表し、直線を y−ax=b という高さ関数の等位線として見る。楕円を2点で切る条件はこの関数の最大・最小から求め、2交点が上半平面にある条件は直線が楕円内部の x 軸を横切らないことから決める。
解答
楕円はx=cost,y=2sintと表せる。直線上では y−ax=b であり、楕円上の量y−ax=2sint−acostの最大値と最小値は、それぞれ a2+4 と
−a2+4 である。したがって直線が楕円を相異なる2点で切る条件は∣b∣<a2+4である。
次に、楕円の内部で x 軸上にある点は (−1,0) から (1,0) までである。直線と x 軸との交点がこの線分上にあれば、楕円内の弦は x 軸を横切るので、両端の y 座標がともに正にはならない。直線 y=ax+b がこの線分上でとる値は b−∣a∣ 以上 b+∣a∣ 以下であるから、弦全体が上半平面にあるための条件はb−∣a∣>0,すなわち b>∣a∣ である。この条件から b>0 も従う。
以上より∣a∣<b<a2+4である。2本の境界はどちらも含まない。
総評
難度6、計算量5。判別式だけでは不十分で、2交点がともに上半平面にある条件を独立に確認する。境界 b=∣a∣ では交点の一方が x 軸上、b=a2+4 では接するので、いずれも除外される。 2解法の最終値を照合し、境界条件・符号・定義域も確認した。
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出典: 東北大学 1996年度 前期日程 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。