方針
Pn(cosθ)=cosnθ なので、加法定理 cos(n+1)θ+cos(n−1)θ=2cosθcosnθ をそのまま多項式の関係に移す。次数はこの漸化式から帰納的に決める。P5 は P0,P1 から順に計算し、P5(x)=1 は因数分解して、[−1,1] 外の根がないことまで確認する。
解答
(1)
加法定理より cos(n+1)θ+cos(n−1)θ=2cosθcosnθ である。x=cosθ とおくと Pn+1(x)+Pn−1(x)=2xPn(x) である。よって Pn+1(x)+Pn−1(x)=2xPn(x) である。
また P0(x)=1、P1(x)=x である。上の関係から Pn+1(x)=2xPn(x)−Pn−1(x) であり、Pn の最高次の項は毎回 2xPn から生じて、Pn−1 とは打ち消し合わない。したがって Pn(x) の次数は n である。
(2)
順に計算すると P0(x)=1,P1(x)=x P2(x)=2x2−1 P3(x)=2xP2(x)−P1(x)=4x3−3x P4(x)=2xP3(x)−P2(x)=8x4−8x2+1 である。よって P5(x)=2xP4(x)−P3(x)=16x5−20x3+5x である。したがって P5(x)=16x5−20x3+5x である。
(3)
(2) より P5(x)−1=16x5−20x3+5x−1 である。これを因数分解すると P5(x)−1=(x−1)(4x2+2x−1)2 となる。したがって実数解は x=1,4x2+2x−1=0 から得られる。
二次方程式の2解は x=4−1+5,x=4−1−5 であり、いずれも実数で、x=1 とは異なる。よって異なる実数解の個数は 3 である。
別解
解法2
方針
最後の方程式は x=cosθ とおいて角度で解く。得た3値の重複度の合計が5次多項式の次数に達することを因数分解で確認し、区間外の実根がないことまで保証する。
解答
(1)
加法定理からPn+1(x)+Pn−1(x)=2xPn(x).P0=1, P1=x とこの漸化式により、最高次係数は消えないので
Pn の次数は n である。
(2)
漸化式を順に用いてP5(x)=16x5−20x3+5x.(3)
−1≦x≦1 で x=cosθ, 0≦θ≦π とおくとP5(x)=1⟺cos5θ=1.よってθ=0,52π,54πから異なる3実根を得る。実際P5(x)−1=(x−1)(4x2+2x−1)2であり、右辺はこの3実根だけで5次分の重複度を尽くす。したがって
異なる実数解は3個である。
総評
三角関数の加法定理から多項式の漸化式を作る問題。目安時間は22分前後。(1)は加法定理をそのまま使えばよいが、次数については最高次の項が消えないことを帰納的に説明したい。(3)は x=cosθ だけで考えると [−1,1] 外の根を見落とす可能性があるため、最後に因数分解で全実数解を確認すると答案として堅い。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。
冊子PDFで見る東北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。