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東北大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第2問

△ABCにおいて,正の数rがあり,
r=sin⁡Bsin⁡A=sin⁡Csin⁡Bが成り立っている.

(1) r3cos⁡A+r2cos⁡B+rcos⁡Cをrの式で表せ.
(2) cos⁡A,cos⁡B,cos⁡Cをrの式で表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

三角関数 三角比の利用、式変形、計算整理

方針

正弦定理により、角 A,B,C の対辺の比を 1:r:r2 と置く。そこから余弦定理で cos⁡A,cos⁡B,cos⁡C をそれぞれ r の式にする。(1)は代入後に分母をそろえて整理し、(2)では同じ式をそのまま答える。辺の置き方を明示して、どの角に対応する余弦かを取り違えないように進める。

解答

角 A,B,C の対辺の長さをそれぞれ α,β,γ とする。正弦定理よりsin⁡Bsin⁡A=βα=r,sin⁡Csin⁡B=γβ=rである。したがって、辺の比を α:β:γ=1:r:r2 とおける。以下、α=1, β=r, γ=r2 として計算する。

余弦定理よりcos⁡A=β2+γ2−α22βγ=r2+r4−12r3である。同様にcos⁡B=γ2+α2−β22γα=r4+1−r22r2であり、cos⁡C=α2+β2−γ22αβ=1+r2−r42rである。

(1)
上の式を代入するとr3cos⁡A=r4+r2−12,r2cos⁡B=r4−r2+12,rcos⁡C=1+r2−r42である。これらを加えると r3cos⁡A+r2cos⁡B+rcos⁡C=r4+r2+12 となる。

(2)
求める値はcos⁡A=r4+r2−12r3,cos⁡B=r4−r2+12r2,cos⁡C=1+r2−r42rである。実際に三角形が存在する r の範囲では、辺 1,r,r2 が三角不等式を満たしており、上の余弦定理の式がそのまま対応する。

三角形の存在条件は辺比 1:r:r2 の三角不等式から5−12<r<5+12であり、問題で存在が仮定されているため上の式はこの範囲で用いる。

別解

解法2

方針

正弦定理を使わず、A+B+C=πの正弦加法定理からcosA, cosB, cosCの連立一次方程式を作って解く。

解答

条件からsin⁡B=rsin⁡A,sin⁡C=r2sin⁡A.A+B+C=π を三通りに使うとsin⁡C=sin⁡(A+B),sin⁡A=sin⁡(B+C),sin⁡B=sin⁡(C+A).sin⁡A>0 で割り、条件を代入してrcos⁡A+cos⁡B=r2,r2cos⁡B+rcos⁡C=1,r2cos⁡A+cos⁡C=r.(1)この連立一次方程式を解くとcos⁡A=r4+r2−12r3,cos⁡B=r4−r2+12r2,cos⁡C=1+r2−r42r.これが (2) の答えである。

(1)

上の三式を代入してr3cos⁡A+r2cos⁡B+rcos⁡C=r4+r2+12.なお三角形の存在から辺比 1:r:r2 が三角不等式を満たし、5−12<r<5+12である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20分。中心は正弦定理で「正弦の比」を「辺の比」に変えることにある。1:r:r2 と置いた後は余弦定理だけだが、cos⁡A では A の対辺を引く、という対応を1つでもずらすと全体が崩れる。答案では辺の記号を最初に置いておくと、計算の見通しと検算がしやすい。

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出典: 東北大学 1998年度 後期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。