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東北大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

0<u<π4,0<θ<π2とする.

(1) 1tan⁡u−1tan⁡2uを簡単にせよ.

(2) 無限級数∑n=1∞12ntan⁡θ2nの和を求めよ.
ただし,lim⁡x→0tan⁡xx=1を用いてよい.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

三角関数、数列 式変形、和の計算、極限計算

方針

(1) で cot⁡u−cot⁡2u を計算し,続いて tan⁡u=cot⁡u−2cot⁡2u という差の形を作る。(2) では u=θ/2n を代入して 2−ntan⁡(θ/2n) を隣り合う2項の差にし,部分和を望遠和としてから極限 xcot⁡x→1 を用いる。

解答

(1) 1tan⁡u−1tan⁡2u=cot⁡u−cot⁡2u である。これを正弦・余弦で計算するとcot⁡u−cot⁡2u=cos⁡usin⁡u−cos⁡2usin⁡2u=cos⁡usin⁡2u−sin⁡ucos⁡2usin⁡usin⁡2uである。分子は cos⁡usin⁡2u−sin⁡ucos⁡2u=sin⁡(2u−u)=sin⁡u なので 1tan⁡u−1tan⁡2u=1sin⁡2u である。

(2) まず cot⁡u−2cot⁡2u=tan⁡u を確認する。実際,cot⁡2u=cot⁡2u−12cot⁡u であるからcot⁡u−2cot⁡2u=cot⁡u−cot⁡2u−1cot⁡u=1cot⁡u=tan⁡uである。

ここで u=θ/2n とするとtan⁡θ2n=cot⁡θ2n−2cot⁡θ2n−1である。両辺に 2−n を掛けて12ntan⁡θ2n=12ncot⁡θ2n−12n−1cot⁡θ2n−1となる。

したがって第 N 項までの部分和は望遠和となり,∑n=1N12ntan⁡θ2n=12Ncot⁡θ2N−cot⁡θである。x=θ/2N とおくと12Ncot⁡θ2N=xθcot⁡x=1θ⋅xtan⁡xである。問題文の極限 tan⁡x/x→1 より x/tan⁡x→1 だからlim⁡N→∞12Ncot⁡θ2N=1θである。よって求める和は 1θ−cot⁡θ である。

望遠和で消える隣接項

別解

解法2

方針

倍角公式を繰り返して、有限個の余弦の積を正弦の比で表す。その有限恒等式の対数を微分すると、求める部分和が一度に現れる。

解答

(1) 1tan⁡u−1tan⁡2u=cos⁡usin⁡2u−sin⁡ucos⁡2usin⁡usin⁡2u=1sin⁡2u.(2)
倍角公式を N 回繰り返すとsin⁡θ=2Nsin⁡θ2Ncos⁡θ2cos⁡θ22⋯cos⁡θ2N.0<θ<π/2 では各因子が正なので、両辺の対数を
θ で微分できる。するとcot⁡θ=12Ncot⁡θ2N−∑n=1N12ntan⁡θ2n.よって部分和は∑n=1N12ntan⁡θ2n=12Ncot⁡θ2N−cot⁡θ.x=θ/2N とすれば12Ncot⁡θ2N=1θ xtan⁡x⟶1θ.したがって求める和は1θ−cot⁡θである。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は20分。(1) の式をそのまま終えるのではなく,(2) の望遠和に使える tan⁡u=cot⁡u−2cot⁡2u へ変形する発想が核心である。部分和を書き出すと中間項が消える構造が見える。最後の極限では 2−N と θ/2N を結びつけ,xcot⁡x=x/tan⁡x と直すと自然に収束値が出る。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。

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出典: 東北大学 1995年度 前期日程 理系 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。