方針
(1) で cotu−cot2u を計算し,続いて tanu=cotu−2cot2u という差の形を作る。(2) では u=θ/2n を代入して 2−ntan(θ/2n) を隣り合う2項の差にし,部分和を望遠和としてから極限 xcotx→1 を用いる。
解答
(1) tanu1−tan2u1=cotu−cot2u である。これを正弦・余弦で計算するとcotu−cot2u=sinucosu−sin2ucos2u=sinusin2ucosusin2u−sinucos2uである。分子は cosusin2u−sinucos2u=sin(2u−u)=sinu なので tanu1−tan2u1=sin2u1 である。
(2) まず cotu−2cot2u=tanu を確認する。実際,cot2u=2cotucot2u−1 であるからcotu−2cot2u=cotu−cotucot2u−1=cotu1=tanuである。
ここで u=θ/2n とするとtan2nθ=cot2nθ−2cot2n−1θである。両辺に 2−n を掛けて2n1tan2nθ=2n1cot2nθ−2n−11cot2n−1θとなる。
したがって第 N 項までの部分和は望遠和となり,n=1∑N2n1tan2nθ=2N1cot2Nθ−cotθである。x=θ/2N とおくと2N1cot2Nθ=θxcotx=θ1⋅tanxxである。問題文の極限 tanx/x→1 より x/tanx→1 だからN→∞lim2N1cot2Nθ=θ1である。よって求める和は θ1−cotθ である。
望遠和で消える隣接項
別解
解法2
方針
倍角公式を繰り返して、有限個の余弦の積を正弦の比で表す。その有限恒等式の対数を微分すると、求める部分和が一度に現れる。
解答
(1) tanu1−tan2u1=sinusin2ucosusin2u−sinucos2u=sin2u1.(2)
倍角公式を N 回繰り返すとsinθ=2Nsin2Nθcos2θcos22θ⋯cos2Nθ.0<θ<π/2 では各因子が正なので、両辺の対数を
θ で微分できる。するとcotθ=2N1cot2Nθ−n=1∑N2n1tan2nθ.よって部分和はn=1∑N2n1tan2nθ=2N1cot2Nθ−cotθ.x=θ/2N とすれば2N1cot2Nθ=θ1tanxx⟶θ1.したがって求める和はθ1−cotθである。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は20分。(1) の式をそのまま終えるのではなく,(2) の望遠和に使える tanu=cotu−2cot2u へ変形する発想が核心である。部分和を書き出すと中間項が消える構造が見える。最後の極限では 2−N と θ/2N を結びつけ,xcotx=x/tanx と直すと自然に収束値が出る。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。
冊子PDFで見る東北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1995年度 前期日程 理系 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。