Evolton

東北大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

Sを方程式x2+y2+z2=5の定める球面とする.

(1) S上の1点Pにおける接平面を考える.
原点O,接平面上の点Qに対し,
内積OPOQを求めよ.

(2) S上の2点P1(2,0,1)P2(0,2,1)のそれぞれにおける接平面を考える.
両方の接平面に含まれる点のうち,原点Oからの距離が最小である点Rを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 内積の利用座標設定、範囲評価

方針

球面の中心が原点であることを使い,点 P における接平面は半径 OP に垂直であると見る。(1) では接平面上の任意の点 Q について内積が一定になることを示す。(2) では2つの接平面の交線をまず求め,その直線上で原点からの距離の2乗を最小にする。

解答

(1) 球面 S は中心 O,半径 5 の球面である。点 P における接平面は半径ベクトル OP に垂直であるから,接平面上の点 Q に対して,ベクトル PQOP と垂直である。したがって OPPQ=0 である。ここで OQ=OP+PQ なのでOPOQ=OPOP+OPPQ=OP2となる。点 P は球面上にあるから OP2=5 であり,求める内積は 5 である。

(2) (1) より,P1(2,0,1) における接平面は 2x+z=5 であり,P2(0,2,1) における接平面は 2y+z=5 である。両方の接平面上にある点 (x,y,z)2x+z=5,2y+z=5 を満たす。2式を引くと x=y である。そこで x=y=u とおくと z=52u であり,交線上の点は (u,u,52u) と表される。

原点からこの点までの距離の2乗を D(u)=u2+u2+(52u)2=6u220u+25 とおく。平方完成すると D(u)=6(u53)2+253 であるから,最小となるのは u=53 のときである。このとき z=5253=53 なので R=(53,53,53) である。

2接平面と最短点

別解

解法2

方針

2平面の交線を、原点から最も近い点と方向ベクトルに分ける。交線上の任意の点について三平方の形が得られるため、微分を使わずに最短点を確定できる。

解答

(1)
接平面上の点 Q に対し、PQ は半径
OP と垂直である。したがってOPOQ=OP(OP+PQ)=OP2=5である。

(2)
2つの接平面は2x+z=5,2y+z=5である。点R0=(53,53,53)は両方の平面上にあり、交線の方向ベクトルとして
v=(1,1,0) を取れる。よって交線上の任意の点はR=R0+sv(sR)と表される。ここで R0v=0 だからR2=R02+s2v2=253+2s2253.等号は s=0 のときに限る。したがって求める点はR=(53,53,53)である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は15分から20分。接平面の式を公式として暗記するだけでなく,半径と接平面が垂直であることから内積が一定になる理由を書けるかが重要である。(2) は2平面の交線上の最短距離問題なので,交線を1変数で表して距離の2乗を最小化すればよい。対称性からすぐ x=y と見えるが,その後の最小化と座標の確認まで書くと答案が安定する。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。

冊子PDFで見る東北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1995年度 前期日程 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。