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東北大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

p1→=(1, 0) とする。
ベクトル pn→ に対し、これを正の向きに角 θ だけ回転し、
さらにその大きさを α 倍したベクトルを pn+1→ とする。
ただし、0<α<1、n=1,2,3,… とする。

(1) pn→ と同じ向きをもつ単位ベクトル
en→ を求めよ。

(2) θ=2π3 のとき、∑n=199pn→を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15分

ベクトル、三角関数、数列 回転・拡大、和の計算、三角比の利用

方針

各ステップで大きさは α 倍、向きは θ ずつ増えるので、pn→ の大きさと偏角をそのまま追う。(2)では θ=2π/3 により向きが3項周期になるため、n=3j+1,3j+2,3j+3 の3項を1組にして、残りは公比 α3 の等比数列として和を取る。

解答

(1) p1→=(1,0) であり、pn+1→ は pn→ を正の向きに θ だけ回転し、大きさを α 倍したものである。したがって pn→ の大きさは αn−1 であり、正の x 軸から測った向きは (n−1)θ である。よって同じ向きをもつ単位ベクトルは en→=(cos⁡(n−1)θ, sin⁡(n−1)θ) である。

(2) θ=2π/3 のとき、向きは3項ごとに戻る。具体的にp3j+1→=α3j(1,0),p3j+2→=α3j+1(−12,32),p3j+3→=α3j+2(−12,−32)である。したがって3項を1組にするとp3j+1→+p3j+2→+p3j+3→=α3j(1−α2−α22, 32(α−α2)). 99=3⋅33 であるから、j=0,1,…,32 について和を取ればよい。よって∑n=199pn→=(1−α2−α22, 32(α−α2))1−α991−α3.ここで1−α2−α22=(1−α)(1+α2),32(α−α2)=(1−α)3α2であり、1−α3=(1−α)(1+α+α2) である。0<α<1 なので 1−α≠0 であり、∑n=199pn→=1−α991+α+α2(1+α2, 3α2)である。

別解

解法2

方針

平面ベクトルを複素数で表す。回転を ω=e2πi/3、拡大を α とすれば、各項は等比数列になり、99項の和を一度に計算できる。

解答

(1)
ベクトル (x,y) を複素数 x+iy に対応させる。一般の θ ではzn=αn−1ei(n−1)θであるから、向きだけを表す単位ベクトルはen→=(cos⁡(n−1)θ, sin⁡(n−1)θ)である。

(2)
θ=2π/3 とし、ω=e2πi/3=−12+i32とおく。このとき zn=(αω)n−1 であり、∑n=199zn=1−(αω)991−αω.ω3=1 と 99=3⋅33 より(αω)99=α99 である。また11−αω=1+α2+i3α21+α+α2.実部と虚部を座標へ戻すと∑n=199pn→=1−α991+α+α2(1+α2, 3α2).

総評

難度5、計算量4。回転と拡大を「向き」と「長さ」に分けると99項でも3項周期の等比和になる。複素数法でも ω99=1 を使えば同じ結果になり、成分の符号まで相互確認できる。 2解法の最終値を照合し、境界条件・符号・定義域も確認した。

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出典: 東北大学 1996年度 前期日程 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。