方針
共有点がある条件を調べ、その補集合を求める。絶対値の中身(x+1)(x−a)の符号に応じて、x2+1=±2(x+1)(x−a)の2つの2次方程式に分ける。各方程式が実数解をもつ条件を判別式で求めれば、その等式自体から符号条件も自動的に満たされるので、最後に共有点をもつaの範囲をまとめて除く。
解答
共有点がある条件を調べる。共有点のx座標は x2+1=2(x+1)(x−a) を満たす。
まず(x+1)(x−a)≧0の場合、x2+1=2(x+1)(x−a) である。整理すると 2x2+2=x2+(1−a)x−a より x2+(a−1)x+a+2=0 を得る。この方程式の解では (x+1)(x−a)=2(x2+1)>0 となるので、符号条件も満たされる。判別式は Δ1=(a−1)2−4(a+2)=a2−6a−7=(a+1)(a−7) である。したがってこの場合に共有点をもつのは a≦−1またはa≧7 である。
次に(x+1)(x−a)<0の場合、x2+1=−2(x+1)(x−a) である。整理すると 2x2+2=−x2−(1−a)x+a より 3x2+(1−a)x+2−a=0 を得る。この方程式の解では (x+1)(x−a)=−2(x2+1)<0 となるので、やはり符号条件も満たされる。判別式は Δ2=(1−a)2−12(2−a)=a2+10a−23 である。よって a2+10a−23≧0 を解いて a≦−5−43またはa≧−5+43 となる。
以上を合わせると、共有点をもつaの範囲は a≦−1またはa≧−5+43 である。したがって共有点をもたない範囲は −1<a<−5+43 である。
別解
解法2
方針
絶対値の正負に対応する二つの二次方程式が、ともに実数解を持たない条件を直接交差させる。各方程式の解では元の符号条件が自動的に従う。
解答
共有点がないためにはx2+1=2(x+1)(x−a)とx2+1=−2(x+1)(x−a)のどちらも実数解を持たなければよい。各等式が成り立てば右辺の符号は x2+1>0 から自動的に正しくなる。
第1式はx2+(a−1)x+a+2=0で、実数解を持たない条件は(a−1)2−4(a+2)<0⟺−1<a<7.第2式は3x2+(1−a)x+2−a=0で、実数解を持たない条件は(1−a)2−12(2−a)<0⟺−5−43<a<−5+43.両区間の共通部分を取って−1<a<−5+43.端点では重解、すなわち共有点を持つため含まない。
総評
難度8、計算量7。目安時間は30分。絶対値を外した後の2つの2次方程式について、判別式で実数解の有無を調べる問題である。各方程式が解をもつときには、その等式から符号条件も同時に従う点を明記すると、符号範囲の確認がすっきりする。端点では共有点が生じるため、最終答えは厳密な不等号になる。
冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1997年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。