Evolton

東北大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

(1) f(x)=exex+1のとき,
y=f(x)の逆関数y=g(x)を求めよ.
(2) (1)のf(x)g(x)に対し,次の等式が成り立つことを示せ.abf(x)dx+f(a)f(b)g(x)dx=bf(b)af(a)

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

関数積分 逆算、部分積分、定積分評価

方針

(1)y=ex/(ex+1)ex について解き,値域 0<y<1 を逆関数の定義域にする。(2) は逆関数の積分公式そのものだが,ここでは両辺の差を b の関数と見て微分し,導関数が0であることと b=a で0になることから示す。

解答

(1) y=exex+1 より y(ex+1)=ex であるから ex=y1y である。したがって逆関数は g(y)=logy1y(0<y<1) である。

(2) F(b)=abf(x)dx+f(a)f(b)g(x)dxbf(b)+af(a) とおく。g(f(b))=bであるから F(b)=f(b)+g(f(b))f(b)f(b)bf(b)=0 である。したがってF(b)は定数である。b=aのときF(a)=0であるから、すべてのbについて abf(x)dx+f(a)f(b)g(x)dx=bf(b)af(a) が成り立つ。

(2) の微分による証明では,上端が f(b) の積分を微分する点が重要である。すなわち ddbf(a)f(b)g(x)dx=g(f(b))f(b)=bf(b) である。これは gf の逆関数であるため g(f(b))=b となるからである。したがって差の導関数は0になり,b=a で両辺がともに0になることから等式が従う。

別解

解法2

方針

(1) は指数方程式を解く。(2)はfのグラフと逆関数のグラフがy=xについて対称であることを用い、対応する曲線下の面積を長方形へ組み替える。

解答

(1) y=exex+1ex について解くとex=y1y.したがってg(y)=logy1y(0<y<1).(2)

y=f(x)axb の部分を直線 y=x に関して反転すると、y=g(x)f(a)xf(b) の部分になる。

長方形[a,b]×[f(a),f(b)]を考えると、f の下側の面積と、反転後の g の下側の面積を組み替えたものは、右上までの積から左下までの積を引いたbf(b)af(a)に等しい。境界を積分で表せばabf(x)dx+f(a)f(b)g(x)dx=bf(b)af(a)を得る。これは逆関数の面積公式の図形的証明である。

総評

逆関数と積分の関係を証明する問題である。所要時間は12分程度。(1) は値域 0<x<1 を逆関数の定義域として添えること。(2) は公式を知っていれば早いが,答案では微分して定数差を示す方法が確実である。上端 f(b) の微分で g(f(b))f(b) が出る点を省かないこと。

冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1998年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。