Evolton

東北大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

aを正の定数とする.f(x)=ax+01{f(t)}2dtをみたす関数f(x)がただ1つしか存在しないように定数aの値を定めよ.
また,そのときのf(x)を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安10

関数積分 文字消去判別式、一意性証明

方針

積分部分は x に依存しない定数なので、まずC=01{f(t)}2dtとおく。すると関数は必ず f(x)=ax+C の形になり、未知関数の問題は定数 C の2次方程式に帰着する。関数がただ1つ存在するためには、この2次方程式が実数解をちょうど1つもつ必要があるので、判別式を0にする。最後に a>0 を使って候補を選び、対応する Cf(x) を求める。

解答

C=01{f(t)}2dtとおく。この Cx によらない定数である。与式は f(x)=ax+C を意味するので、条件を満たす関数があるならば必ずこの形である。

この形を C の定義に代入するとC=01(at+C)2dt=01(a2t2+2aCt+C2)dt=a23+aC+C2.したがって CC2+(a1)C+a23=0 を満たす。

逆に、この2次方程式の実数解 C が1つ決まれば、f(x)=ax+C は与式を満たす。よって、関数 f(x) がただ1つしか存在しないことは、この2次方程式が実数解をちょうど1つもつことと同値である。したがって判別式が0であればよい。 (a1)24a23=0 より 3(a1)24a2=0 すなわち a2+6a3=0 である。これを解くと a=3±23 であり、a>0 だから a=233 である。

このとき C は重解であり、C=a12=1a2=1(233)2=23 である。したがって求める関数は f(x)=(233)x+23 である。

別解

解法2

方針

未知関数は傾き a の直線に限られる。切片を横軸、積分から得る値を縦軸にとり、固定点がただ1つとなる接する条件で処理する。

解答

C=01{f(t)}2dtとおけば f(x)=ax+C である。逆にこの形を代入するとC=01(at+C)2dt=a23+aC+C2.したがって、直線 y=C と放物線y=C2+aC+a23の交点の横座標が、可能な切片 C である。ただ1つの関数が存在するためには両グラフが接すればよいからC2+(a1)C+a23=0が重解をもつ。よって(a1)24a23=0.a>0 よりa=233.接点の横座標はC=1a2=23なのでf(x)=(233)x+23.

総評

未知関数の形に見えるが、積分値が定数であることを見抜けば2次方程式の問題になる。目安時間は10分程度。重要なのは、C の実数解1つと関数1つが対応していることを明示する点である。判別式0だけを書いても、なぜ唯一性と結びつくのかが弱くなる。最後は a>0 により負の候補を捨て、重解の C を使って関数まで具体的に書く。

冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1999年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。