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東北大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

x>0において関数f(x)をf(x)=x2+12log⁡x2+12+12(x−1)2−x2log⁡xで定める.対数は自然対数である.

(1) 導関数f′(x)が単調増加であることを示せ.
(2) f(x)≧0であることを示し,f(x)=0となるxを求めよ.
(3) 正の実数p,qについて不等式p2+q22log⁡p2+q22≧−12(p−q)2+p2log⁡p2+q2log⁡q22が成立することを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

関数、微分、指数・対数 増減表、不等式評価、置換

方針

(1) は微分計算を正確に行い、f′′(x)≧0 を示して f′(x) の単調増加を得る。f′′(x) はそのままでは符号が見にくいので、u=(x2+1)/(2x2) とおき、log⁡u−1+1/u≧0 を使う。(2)は f(1)=f′(1)=0 と(1)から最小値を判断する。(3)は(2)を x=p/q に適用し、両辺に q2 を掛けて対数を整理する。

解答

(1)
まず微分する。f′(x)=xlog⁡x2+12+x+(x−1)−2xlog⁡x−x=xlog⁡x2+12x2+x−1.さらに微分するとf′′(x)=log⁡x2+12x2+x(2xx2+1−2x)+1=log⁡x2+12x2+x2−1x2+1.ここで u=x2+12x2>0 とおくと 1u=2x2x2+1 であるから −1+1u=x2−1x2+1 である。したがって f′′(x)=log⁡u−1+1u となる。

関数 g(u)=log⁡u−1+1u(u>0) を考えると g′(u)=1u−1u2=u−1u2 である。よって g(u) は 0<u<1 で減少し、u>1 で増加する。さらに g(1)=0 だから、すべての u>0 で g(u)≧0 である。したがって f′′(x)≧0(x>0) であり、f′(x) は単調増加である。

(2)
直接代入すると f(1)=0 であり、また f′(1)=1⋅log⁡1+1−1=0 である。(1)より f′(x) は単調増加であるから 0<x<1ではf′(x)≦0, x>1ではf′(x)≧0 である。したがって f(x) は x=1 で最小値をとり、その最小値は0である。よって f(x)≧0 であり、等号成立は x=1 のときである。

(3)
正の実数 p,q に対して、(2)を x=pq に適用する。すると(p/q)2+12log⁡(p/q)2+12+12(pq−1)2−(pq)2log⁡pq≧0である。両辺に q2 を掛けるとp2+q22log⁡p2+q22q2+12(p−q)2−p2log⁡pq≧0となる。

ここで log⁡p2+q22q2=log⁡p2+q22−log⁡q2 かつ p2log⁡pq=p22log⁡p2−p22log⁡q2 である。これらを代入して整理すると、log⁡q2 の係数は −p2+q22+p22=−q22 となるのでp2+q22log⁡p2+q22+12(p−q)2−p22log⁡p2−q22log⁡q2≧0である。移項してp2+q22log⁡p2+q22≧−12(p−q)2+p2log⁡p2+q2log⁡q22を得る。これが示すべき不等式である。

別解

解法2

方針

二階導関数に現れる対数不等式を独立に示して凸性を得る。(3)は同次化として(2)を比 p/q に適用する。

解答

(1)

微分するとf′′(x)=log⁡x2+12x2+x2−1x2+1.u=x2+12x2>0と置けばf′′(x)=log⁡u−1+1u.ϕ(u)=log⁡u−1+1/u はϕ′(u)=u−1u2であり、u=1 で最小値0をとる。よって f′′(x)≧0、したがって f′(x) は単調増加する。

(2) f(1)=f′(1)=0.f′ の単調性より、x<1 で f′(x)≦0、x>1 で f′(x)≧0 である。よってf(x)≧0であり、等号は x=1 のときに限る。

(3)

(2) に x=p/q を代入し、両辺に q2 を掛ける。対数をlog⁡p2+q22q2=log⁡p2+q22−log⁡q2と分けて整理すればp2+q22log⁡p2+q22≧−12(p−q)2+p2log⁡p2+q2log⁡q22.

総評

微分計算、単調性、代入による不等式証明が連動する理系らしい問題である。目安時間は25分程度。最大の注意点は f′′(x) の符号判定で、log⁡u−1+1/u≧0 を自分で示す一手間が必要である。(3)は式変形が長く、特に log⁡q2 の係数整理でミスが出やすい。x=p/q を代入した直後の式を丁寧に書けば、最後の不等式まで自然につながる。

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出典: 東北大学 1999年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。