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東北大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

ある1面だけに印のついた立方体が水平な平面に置かれている.
平面に接する面(底面)の4辺のうち1辺を選んでこの辺を軸にしてこの立方体を横に倒す,という操作を行う.
ただし,どの辺が選ばれるかは同様に確からしいとし,印のついた面が最初は上面にあるとする.
この操作をn回続けて行ったとき,印のついた面が立方体の側面にくる確率をan,底面にくる確率をbnとおく.

(1) a2を求めよ.
(2) an+1anの関係式を導け.
(3) bnnの式で表し,limnbnを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

印のついた面が上面・側面・底面のどれにあるかだけを状態として見る。上面または底面にあるときは次の操作で必ず側面に移り,側面にあるときは4本の辺のうち2本を選ぶと上面または底面に移り,残り2本では側面のままである。この遷移から an+1=1an/2 を作り,bn は直前に側面にある確率から求める。

解答

(1)
1回倒すと印は必ず側面にくる。2回目に、印の面を底面または上面にする辺は2本、側面のままにする辺は2本である。よって a2=12 である。

(2)
印が側面にあるとき、次に側面でなくなる確率は1/2である。印が上面または底面にあるとき、次は必ず側面にくる。したがって an+1=12an+(1an)=112an である。

(3) a1=1であるから、(2)より an=23+13(12)n1 である。n2では、底面にくるには直前に側面にあり、かつその面を下に倒す1本を選ぶ必要があるので bn=14an1=16+112(12)n2 である。したがって limnbn=16 である。

(3) ではまず漸化式 an+123=12(an23) と変形する。a1=1 なので an=23+13(12)n1 である。

底面に来るには,直前に印の面が側面にあり,その側面を下にする1本の辺を選ぶ必要がある。側面にあるとき,4本の候補のうち底面に移すものは1本なので bn=14an1(n2) である。したがって bn=16+112(12)n2(n2) で,b1=0 である。よって極限は 1/6 となる。

別解

解法2

方針

上面・側面・底面の確率を3成分で持つ状態遷移として書く。遷移行列から側面確率の漸化式と底面確率を同時に読み取る。

解答

操作 n 回後に印が上面、側面、底面にある確率をそれぞれun,an,bnとする。側面からは、4本の軸のうち1本ずつで上面・底面へ移り、2本では側面に残る。上面・底面からは必ず側面へ移る。したがって(un+1an+1bn+1)=(01/4011/2101/40)(unanbn).(1)初期状態は (u0,a0,b0)=(1,0,0) である。

(1)

(1) から a1=1a2=1/2 である。

(2)

un+an+bn=1 よりan+1=un+12an+bn=112an.(3)an+123=12(an23)a1=1 からan=23+13(12)n1.(1)の第3行より bn=an1/4 (n2) だからbn=16+112(12)n2,b1=0.したがってlimnbn=16.

総評

状態を細かい向きではなく,上面・側面・底面の3種類に圧縮するのが要点である。所要時間は15分程度。an+1 は側面から側面に残る確率 1/2 と,側面以外から必ず側面へ来る事実で決まる。bnan からではなく an1 から求める点に注意する。

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出典: 東北大学 1998年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。