方針
逆関数は を について解く。(2)は 、(3)は と言い換え、合成後の分子・分母の係数を直接比較する。
解答
(1) とおく。両辺に を掛けるとである。 より逆関数が存在するからである。
(2)
は と同値である。直接合成するとこれが恒等的に に等しいための条件はである。 なら となり なので、問題の条件に反する。したがって逆に なら、 のもとで上の合成は恒等関数となるから十分である。
(3)
は と同値である。 とおいて3回合成を整理するとただしである。分子と分母の定数倍を許してこの式が恒等的に に等しいための条件はである。 より の少なくとも1つは0でないから、必要条件は である。逆に なら3回合成は恒等関数となる。よって求める条件はである。
別解
解法2
方針
一次分数関数の等式を分母を払って直接比較する。(2)は2回合成、(3)は3回合成が恒等変換となる条件に直す。
解答
(1) を について解けばだから(2)
は と同値である。直接合成するとこれが恒等的に に等しいため、係数比較からを得る。 なら となって なので除外される。
よって、求める条件は(3)
は と同値である。3回合成して整理するとこれが恒等関数になるための係数条件は だから の少なくとも1つは0でなく、したがって である。逆に なら3回合成は恒等関数になる。最後により、求める条件はである。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は28分。一次分数関数では係数の組が定数倍までしか決まらないため、係数をそのまま等号で比較しないことが重要である。(2)は が恒等関数、(3)は が恒等関数という見方に変えると、逆関数との関係が整理される。 の条件は、 が単位行列の定数倍になる退化的な場合を除くために必要で、最後に必ず確認したい。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。