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東北大学 2000年度 前期日程理系数学 第3問

実数a,b,c,dがad−bc≠0を満たすとき,
関数f(x)=ax+bcx+dについて,
次の問いに答えよ.

(1) f(x)の逆関数f−1(x)を求めよ.

(2) f−1(x)=f(x)を満たし,f(x)≠xとなるa,b,c,dの関係式を求めよ.

(3) f−1(x)=f(f(x))を満たし,f(x)≠xとなるa,b,c,dの関係式を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28分

関数 逆算、同値変形、式変形

方針

逆関数は y=f(x) を x について解く。(2)は f(f(x))=x、(3)は f(f(f(x)))=x と言い換え、合成後の分子・分母の係数を直接比較する。

解答

(1) y=ax+bcx+d とおく。両辺に cx+d を掛けると(cy−a)x=b−dyである。ad−bc≠0 より逆関数が存在するからf−1(x)=dx−b−cx+aである。

(2)
f−1=f は f(f(x))=x と同値である。直接合成するとf(f(x))=(a2+bc)x+b(a+d)c(a+d)x+bc+d2.これが恒等的に x に等しいための条件はb(a+d)=0,c(a+d)=0,(a−d)(a+d)=0である。a+d≠0 なら b=c=0, a=d となり f(x)=x なので、問題の条件に反する。したがってa+d=0.逆に a+d=0 なら、ad−bc≠0 のもとで上の合成は恒等関数となるから十分である。

(3)
f−1=f∘f は f(f(f(x)))=x と同値である。s=a+d とおいて3回合成を整理するとf(f(f(x)))=(a3+2abc+bcd)x+bKcKx+d3+abc+2bcd,ただしK=a2+ad+d2+bc=(a+d)2−(ad−bc)である。分子と分母の定数倍を許してこの式が恒等的に x に等しいための条件はbK=0,cK=0,(a−d)K=0である。f(x)≠x より b,c,a−d の少なくとも1つは0でないから、必要条件は K=0 である。逆に K=0 なら3回合成は恒等関数となる。よって求める条件は(a+d)2=ad−bcである。

別解

解法2

方針

一次分数関数の等式を分母を払って直接比較する。(2)は2回合成、(3)は3回合成が恒等変換となる条件に直す。

解答

(1) y=ax+bcx+dを x について解けばx=dy−b−cy+aだからf−1(x)=dx−b−cx+a.(2)
f−1=f は f(f(x))=x と同値である。直接合成するとf(f(x))=(a2+bc)x+b(a+d)c(a+d)x+bc+d2.これが恒等的に x に等しいため、係数比較からc(a+d)=0,b(a+d)=0,a2=d2を得る。a+d≠0 なら b=c=0, a=d となって f(x)=x なので除外される。
よって、求める条件はa+d=0.(3)
f−1=f∘f は f(f(f(x)))=x と同値である。3回合成して整理するとf(f(f(x)))=(a3+2abc+bcd)x+bKcKx+d3+abc+2bcd,K=a2+ad+d2+bc.これが恒等関数になるための係数条件はbK=cK=(a−d)K=0.f(x)≠x だから b,c,a−d の少なくとも1つは0でなく、したがって K=0 である。逆に K=0 なら3回合成は恒等関数になる。最後にK=(a+d)2−(ad−bc)より、求める条件は(a+d)2=ad−bcである。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は28分。一次分数関数では係数の組が定数倍までしか決まらないため、係数をそのまま等号で比較しないことが重要である。(2)は f∘f が恒等関数、(3)は f∘f∘f が恒等関数という見方に変えると、逆関数との関係が整理される。f(x)≠x の条件は、M が単位行列の定数倍になる退化的な場合を除くために必要で、最後に必ず確認したい。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 前期日程 数学 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。