方針
2曲線の差を因数分解し、交点 x=−b,0,a を求める。区間 [−b,0] と [0,a] で上下が入れ替わるため、絶対値を外して面積を積分する。条件 a+b=1 のもとでは S を1変数にし、対称性または微分で最小を決める。
解答
(1)
2曲線の差を取ると x3+bx2−(ax2+abx)=x3+(b−a)x2−abx=x(x−a)(x+b) である。したがって交点の x 座標は −b,0,a である。 −b<x<0 では x<0、x−a<0、x+b>0 なので差は正である。0<x<a では差は負である。よって2つの部分の面積の和 S は S=∫−b0x(x−a)(x+b)dx−∫0ax(x−a)(x+b)dx である。
まず x(x−a)(x+b)=x3+(b−a)x2−abx であるから、計算すると ∫−b0x(x−a)(x+b)dx=12b4+6ab3 であり −∫0ax(x−a)(x+b)dx=12a4+6a3b である。したがって S=12a4+2a3b+2ab3+b4 である。
(2) a+b=1 なので b=1−a、0<a<1 とおく。(1)の式を用いると S=12a4+2a3(1−a)+2a(1−a)3+(1−a)4 である。これは a と b を入れ替えても同じ式なので、候補は対称点 a=b=1/2 である。
微分で確認する。整理すると S=−6a4+3a3−6a+121 であり S′=−6(2a−1)(2a2−2a−1) である。0<a<1 では 2a2−2a−1<0 であるから、S′ は a<1/2 で負、a>1/2 で正となる。よって S は a=21 で最小になる。このとき b=1/2 であり S=321 である。したがって a=b=21,Smin=321 である。
別解
解法2(対称式と積の最大化)
方針
面積を積分した後、その対称式を
s=a+b, p=ab で表す。条件 s=1 のもとでは
p≦1/4 を使い、微分せず最小値を決める。
解答
(1)
2曲線の差はx3+bx2−(ax2+abx)=x(x−a)(x+b).交点は x=−b,0,a で、(−b,0) では差が正、
(0,a) では負である。したがってS=∫−b0x(x−a)(x+b)dx−∫0ax(x−a)(x+b)dx=12a4+2a3b+2ab3+b4.(2)
s=a+b, p=ab とすると、分子はs4−2s2p−2p2.s=1 なのでS=121−2p−2p2.正数 a,b に対して0<p≦41であり、右辺は p>0 で単調に減少する。よって
p=1/4、すなわち a=b=1/2 のとき最小となる。
このときSmin=121−21−81=321.
総評
難度6、計算量6。差の因数分解で交点と符号が同時に分かるため、ここを最初に行うのがよい。面積は2つの区間で上下が逆になるので、符号を確認してから積分すること。(2)は対称性だけで結論を書かず、微分または平方完成で最小を確認すると答案として安定する。目安は18分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2001年度 前期 数学 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。