方針
∣z∣=∣w∣=1 から y2=1−x2、v2=1−u2 とし、条件 yv<0 により yv=−(1−x2)(1−u2) と決める。次に ∣1+z+w∣2<1 を展開し、正の両辺を平方して x,u だけの不等式へ落とす。
解答
∣z∣=1、∣w∣=1 より x2+y2=1,u2+v2=1 である。したがって y2=1−x2,v2=1−u2 である。さらに yv<0 だから yv=−(1−x2)(1−u2) である。なお yv<0 より y,v は0でないので、−1<x<1、−1<u<1 である。
条件 ∣1+z+w∣<1 を2乗する。左辺は ∣1+z+w∣2=(1+x+u)2+(y+v)2 であり、これを展開すると 3+2x+2u+2xu+2yv である。したがって 3+2x+2u+2xu+2yv<1 すなわち (1+x)(1+u)+yv<0 である。
ここに yv=−(1−x2)(1−u2) を代入すると (1+x)(1+u)<(1−x2)(1−u2) を得る。−1<x<1、−1<u<1 より両辺は正であるから、平方しても同値である。よって (1+x)2(1+u)2<(1−x2)(1−u2) である。右辺を因数分解し、正の (1+x)(1+u) で割ると (1+x)(1+u)<(1−x)(1−u) となる。整理して x+u<0 を得る。
逆に x+u<0 なら上の変形を逆にたどれるので、もとの条件 ∣1+z+w∣<1 が成り立つ。したがって必要十分条件は x+u<0 である。
別解
解法2(単位円上の偏角)
方針
虚部の符号が反対なので
z=eiα, w=e−iβ と置く。
半角公式で絶対値条件を角度の和の条件へ直し、
最後に x+u の符号と結び付ける。
解答
必要なら z,w を入れ替えてz=eiα,w=e−iβ(0<α,β<π)と書ける。このとき x=cosα, u=cosβ である。∣1+z+w∣2<1を展開すると(1+cosα)(1+cosβ)−sinαsinβ<0.半角公式を使えば左辺は4cos2αcos2βcos2α+β.最初の2因子は正なので、条件はcos2α+β<0すなわち α+β>π と同値である。
一方x+u=2cos2α+βcos2α−β.∣α−β∣<π より第2因子は正である。
したがって α+β>π は x+u<0 と同値であり、
求める必要十分条件はx+u<0.
総評
難度6、計算量5。ポイントは yv<0 によって積 yv の符号が決まり、平方根を負号つきで書けることである。∣1+z+w∣2 の展開後、両辺を平方する前に正であることを確認しておくと必要十分性が崩れない。端点 x=±1,u=±1 は yv<0 に反するため除外されている。目安は18分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 東北大学 2001年度 前期 数学 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。