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東北大学 2001年度 前期日程理系数学 第6問

(1) nを正の整数とする.
t0のとき,不等式ettnn!が成り立つことを
数学的帰納法で示せ.

(2) 極限Im=limt0txmexdx(m=0,1,2,)を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

積分論証・証明 数学的帰納法、部分積分、極限計算

方針

(1)et=1+int0texdx を用い、帰納法の仮定を積分して次数を1つ上げる。(2)は I0 を直接求め、m1 では部分積分で Im=mIm1 を導く。端の項 tmet0 は(1)の不等式から従う。

解答

(1) n=1 のとき、t0et=1+0texdx0t1dx=t である。したがって ett1! が成り立つ。

次に、ある正の整数 n1 について exxn1(n1)!(x0) が成り立つと仮定する。このとき t0et=1+0texdx0texdx0txn1(n1)!dx=tnn!.よって数学的帰納法により、すべての正の整数 n について ettnn!(t0) が成り立つ。

(2)

まず I0=limt0texdx=limt(1et)=1 である。 m1 とする。部分積分により0txmexdx=[xmex]0t+m0txm1exdx=tmet+m0txm1exdx.ここで(1)を n=m+1 に対して用いると ettm+1(m+1)! だから 0tmet(m+1)!t0 である。したがって極限を取ると Im=mIm1 を得る。 I0=1 から順に Im=m(m1)1I0=m! である。よって Im=m!(m=0,1,2,) である。

別解

解法2(有限展開を帰納する)

方針

(1) ではより強い有限和評価を積分帰納法で示す。
(2)は部分積分を繰り返した有限公式を帰納的に得て、
指数関数が多項式より速く増えることを(1)で保証する。

解答

(1)

次のより強い不等式を示す。etk=0ntkk!(t0).n=0 では et1 である。n1 まで成立するときet=1+0texdx1+0tk=0n1xkk!dx=k=0ntkk!.よって帰納法により成立し、特にettnn!.(2)

部分積分を繰り返すと0txmexdx=m!etk=0mm!k!tk.この式は m=0 で直接成り立ち、1回の部分積分で
m1 から m へ移るので帰納的に確認できる。

(1) を各 km に対して十分大きい指数で用いればtket0.したがって t としてIm=m!(m=0,1,2,).

総評

難度6、計算量5。(1)は展開公式を使わず、積分と帰納法で示す指定がある点に注意する。(2)の部分積分自体は標準的だが、端の項 tmet が0へ行く根拠として(1)を使うのが問題の流れである。I0=1 から漸化式 Im=mIm1 を作れば結論は階乗になる。目安は18分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2001年度 前期 数学 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。