方針
(1) は直接計算する。 で、 と は互いに逆向きの120度回転型行列になる。
(2) は により同じ文字が続く部分を消せること、さらに となることを使う。積は の6個に閉じ、実際にそれぞれ得られることを確認する。
解答
(1)
直接計算するとである。またである。
さらにであり、である。
(2)
(1) より である。したがって、積の中に または が続けて現れたら、それを として消すことができる。よって、残る積は が交互に現れる形だけを考えればよい。
また は120度の回転を表す行列であり、 である。したがって を繰り返して得られるものは だけである。ここで である。
さらに先頭または末尾に を掛けたものを考えると、得られる行列は に限られる。実際、最後の1つはである。したがって求める行列は の6個である。
条件・検算
関係 、 から任意の語が6個の標準形に簡約されることを示した。
別解
解法2(折り返しの合成)
方針
と を平面の直線に関する折り返しとして解釈する。2つの軸のなす角から が120度回転であることを読み、正三角形の対称変換群として6個を列挙する。
解答
(1)
直接計算するとであり、(2)
は 軸に関する折り返しである。 も固有値 をもつ折り返しで、その軸と 軸のなす角は
である。したがって合成 は 回転であり、回転はの3個である。これらに折り返し を合成すると、さらにの3個を得る。回転と折り返しは行列式の符号が異なり、各3個も作用が異なるので重複しない。よって全部での6個である。
総評
行列の積が作る小さな集合を調べる問題で、目安時間は16分程度。直接計算で と を正確に出すことが第一段階である。(2) では同じ文字が連続したら消せるため、積は交互列に限られる。 を確認すれば6個に閉じることが分かる。幾何的には2つの折り返しが作る正三角形型の対称性として理解できる。