方針
漸化式を順に掛けると、分子分母がずれて消える形になる。一般項は an=10/{(3n−1)(3n+2)} と予想でき、初項と漸化式で帰納的に確認する。級数は部分分数分解 an=310(1/(3n−1)−1/(3n+2)) により隣り合う項が消えるので、部分和を取ってから極限を計算する。
解答
漸化式は an+1=3n+53n−1an である。初めの数項を見ると a1=1,a2=82=41 であり、分母が3ずつずれていく形になっている。一般項として an=(3n−1)(3n+2)10 を示す。
まず n=1 では (3⋅1−1)(3⋅1+2)10=2⋅510=1 であり、a1=1 と一致する。次に an=(3n−1)(3n+2)10 と仮定すると、漸化式よりan+1=3n+53n−1⋅(3n−1)(3n+2)10=(3n+2)(3n+5)10である。これは (3(n+1)−1)(3(n+1)+2)10 に等しい。したがって数学的帰納法により an=(3n−1)(3n+2)10 である。
次に級数の和を求める。部分分数分解すると(3n−1)(3n+2)10=310(3n−11−3n+21)である。したがって第 N 部分和はn=1∑Nan=310n=1∑N(3n−11−3n+21)=310(21−3N+21)である。N→∞ とすると S=310⋅21=35 である。よって S=35 である。
条件・検算
一般項は初項と漸化式を満たす。部分和では中間項が完全に相殺し、残項 1/(3N+2) が0へ収束する。
別解
解法2(積の相殺を先に見る別解)
方針
漸化式を初項から積の形で展開し、分子と分母のずれを観察して一般項を得る。級数は部分分数分解で望遠和にする。
解答
an=8⋅11⋅14⋯(3n+2)2⋅5⋅8⋯(3n−4).分子の 8,11,…,3n−4 と分母の同じ因子が消えるのでan=(3n−1)(3n+2)2⋅5=(3n−1)(3n+2)10.またan=310(3n−11−3n+21).したがってn=1∑Nan=310(21−3N+21),ゆえにS=35.
総評
難度5、計算量4。積の形で一般項を見抜き、部分分数分解で和を求める標準的な数列問題である。目安は15分程度。一般項は予想だけで終わらせず、初項と漸化式で帰納的に確認することが必要である。級数では 3n+2=3(n+1)−1 となって次項の前半と打ち消し合うため、部分和を書いてから極限を取ると安全である。
問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図であり、解法の境界条件と結論を本文だけでも追えるようにした。
冊子PDFで見る東北大の数列の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2005年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。