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東北大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

ab0<b<aを満たす実数として,楕円C:x2a2+y2b2=1を考える.

(1) 0<tπ2とする.
座標が(acost,bsint)C上の点をP(t)とおく.
P(t)におけるCの法線lの方程式と,lx軸の交点Q(t)の座標を求めよ.

(2) xyz空間内の立体Vで底面が平面z=0においてx2a2+y2b21,0x,0yで与えられ,z軸の正の方向への高さが線分P(t)Q(t)上の各点でtとなるものを考える.
ただし点(a,0)と点(a2b2a,0)を結ぶ線分上の点での高さは0とする.
Vの平面z=sによる断面積を求めよ.

(3) Vの体積を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

積分図形と方程式 接線・法線体積計算、パラメータ処理

方針

(1) は楕円の接線の傾きを微分で求め、その垂直方向として法線を出す。x 軸との交点 Q(t)y=0 を代入して求める。(2)では、底面の各点を線分 Q(t)P(t) 上の点として 0λ1 で表す。t を少し変えた方向と λ を少し変えた方向が作る小さな平行四辺形の面積を計算し、ts の範囲で積分すると平面 z=s の断面積が得られる。(3)は断面積を s=0 から π/2 まで積分する。

解答

(1)

楕円 x2a2+y2b2=1 を微分すると 2xa2+2yb2dydx=0 である。したがって dydx=b2xa2y である。点 P(t)=(acost,bsint) における接線の傾きは b2acosta2bsint=bcostasint である。よって法線の傾きは asintbcost である。

したがって法線 l の方程式は ybsint=asintbcost(xacost) である。

次に lx 軸の交点を求める。y=0 を代入すると bsint=asintbcost(xacost) である。0<tπ/2 で、t=π/2 の場合も極限として同じ式になる。0<t<π/2 で整理すると xacost=b2acost なので x=(ab2a)cost=a2b2acost である。よって Q(t)=(a2b2acost, 0) である。

(2)

線分 Q(t)P(t) 上の点を X(t,λ)=Q(t)+λ(P(t)Q(t))(0λ1) と表す。すると P(t)Q(t)=(b2acost, bsint) であるから、X(t,λ)=(a2b2+λb2acost, λbsint)である。 tdt だけ、λdλ だけ変化させると、底面上に小さな平行四辺形ができる。その2辺の方向ベクトルは (a2b2+λb2asint, λbcost)dt(b2acost, bsint)dλ である。したがってその面積は ba{(a2b2)sin2t+b2λ}dtdλ である。

高さが t である点の集まりは線分 Q(t)P(t) である。よって平面 z=s による断面は、高さが s 以上の底面部分、すなわち stπ2,0λ1 に対応する。したがって断面積 A(s)A(s)=sπ/201ba{(a2b2)sin2t+b2λ}dλdtである。

まず λ で積分するとA(s)=basπ/2{(a2b2)sin2t+b22}dtである。ここでsπ/2sin2tdt=12(π2s)+14sin2sであるから、A(s)=ba[(a2b2){12(π2s)+14sin2s}+b22(π2s)]=b2a{a2(π2s)+a2b22sin2s}である。したがってA(s)=b2a{a2(π2s)+a2b22sin2s}である。

(3)

体積は断面積を高さ方向に積分して 0π/2A(s)ds である。したがってV=0π/2b2a{a2(π2s)+a2b22sin2s}ds=b2a{a2π28+a2b221}である。よって V=abπ216+b(a2b2)4a である。

条件・検算

断面積は s=0 で底面積、s=π/2 で0になることを確認する。体積は底面上の高さを直接積分する方法でも照合する。

別解

解法2(高さを直接積分する別観点)

方針

(1) (2)の座標表示を使い、断面積をもう一度積分せず、底面の各微小面積にその高さ t を掛けて体積を直接計算する。

解答

(1)

法線と x 軸の交点はl:ybsint=asintbcost(xacost),Q(t)=(a2b2acost,0).(2)

標準解法と同じ座標表示から断面積はA(s)=b2a{a2(π2s)+a2b22sin2s}.(3)

標準解法の座標X(t,λ)=(a2b2+λb2acost,λbsint)を用いる。対応する微小面積はdA=ba{(a2b2)sin2t+b2λ}dtdλであり、その点の高さは t である。したがって体積を直接V=0π/201tdA=ba0π/2t{(a2b2)sin2t+b22}dtと表せる。ここで0π/2tsin2tdt=π216+14,0π/2tdt=π28.よってV=ba{(a2b2)(π216+14)+b2π216}=abπ216+b(a2b2)4a.この計算は、問題文で高さ0とされた x 軸上の線分が面積0であるため体積へ影響しないことも示している。

注意

標準解法の断面積を高さ方向に積分すると付加項が現れるように見える場合は、断面の対応範囲を再確認する必要がある。底面上の高さを直接積分する上式が体積の独立検算になる。

総評

難度8、計算量8。法線で底面を分割し、断面積を積分する重い問題である。目安は30分以上。(1)の法線と Q(t) は確実に取りたい。(2)では底面の点を (t,λ) で表す発想が核心で、面積倍率は小さな平行四辺形の面積として計算する。用語に頼らず、2つの変化方向ベクトルを明示すれば採点上も追いやすい。最後の体積は断面積の積分だけだが、sin2s の積分が1になる点まで丁寧に処理したい。

問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図であり、解法の境界条件と結論を本文だけでも追えるようにした。

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出典: 東北大学 2005年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。