方針
漸化式の分数変換には固定値を使う。まず x=(4x+1)/(2x+3) を解いて固定値 1 と −1/2 を見つけ,その2つから (an−1)/(an+1/2) を作る。この比が一定倍率で変化することを直接計算し,等比数列にしてから an を解き戻す。
解答
(1)
漸化式 an+1=2an+34an+1 の固定値を調べる。x=(4x+1)/(2x+3) とすると x(2x+3)=4x+1 であり,2x2−x−1=0 となる。よって (2x+1)(x−1)=0 から,固定値は x=1,x=−21 である。
そこで bn=an+1/2an−1 とおく。これは問題の形 bn=an+αan+β で α=21,β=−1 を選んだものであり,α>β を満たす。
実際に比を計算する。まずan+1−1=2an+34an+1−1=2an+32an−2=2an+32(an−1)である。またan+1+21=2an+34an+1+21=2(2an+3)8an+2+2an+3=2(2an+3)5(2an+1)=2an+35(an+1/2)である。したがってbn+1=an+1+1/2an+1−1=52an+1/2an−1=52bnである。よって {bn} は公比 2/5 の等比数列である。
(2) a1=2 より b1=2+1/22−1=5/21=52 である。(1)より bn=b1(52)n−1=(52)n である。したがって an+1/2an−1=(52)n である。 q=(52)n とおくと,an−1=q(an+21) である。これを an について解くと an(1−q)=1+2q である。0<q<1 なので割ることができ,an=1−(52)n1+21(52)n である。
別解
解法2(行列の固有方向)
方針
分数変換を2次行列 (4213) の反復として表す。固有値5と2に対応する2方向へ初期ベクトルを分解し、行列のべきから an を直接求める。
解答
(1) M=(4213)とおく。分数変換 x↦(4x+1)/(2x+3) の固定値は 1,−1/2 であるから、bn=an+1/2an−1とおくとよい。したがってα=21,β=−1.実際、代入により bn+1=52bn となる。
(2)
an=xn/yn とおけば(xn+1yn+1)=M(xnyn),(x1y1)=(21).M の固有値は 5,2、対応する固有ベクトルはそれぞれ (1,1)T、(1,−2)T である。また(21)=35(11)+31(1−2).よって(xnyn)=355n−1(11)+312n−1(1−2).したがってan=ynxn=5n−2n5n+2n−1=1−(2/5)n1+21(2/5)n.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は18分で、分数型漸化式を固定値から等比数列へ直す典型問題である。採点点は、固定値 1,−1/2 を見つけること、(an−1)/(an+1/2) を作って公比 2/5 を直接確認すること、最後に an へ戻す計算を丁寧に行うことにある。b1=2/5 なので bn=(2/5)n となる添字のずれに注意したい。
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出典: 東北大学 2008年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。