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東北大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

ある商店街が次のようなくじを計画した.
商店街の各商店は1000円の買い物ごとに1枚の抽選券を客に配布し,
また,配布した抽選券1枚につき手数料35円をくじを管理する組合に拠出する.
客は抽選券の枚数と同じ回数のくじを引くことができる.
くじは500個の球の入った袋をよくかきまぜて1個を取り出す方法で行われ,
500個の球のうち1個だけが当たりとし,
取り出された球はそのつど袋に戻すことにする.
そして,当たり球が出たならば1万円相当の景品がもらえ,
外れたならば景品は無いことにする.
以下の問に答えよ.

(1) 10枚の抽選券を使ってくじを引く人がもらえる景品の相当額の期待値を求めよ.

(2) それぞれが4枚の抽選券を使ってくじを引く客が2人いるとする.
各人が4回のくじを引いたとき,
当たり外れの順序が完全に一致する確率を求めよ.
ただし,小数点第3位は四捨五入せよ.

(3) くじに要する経費は,
抽選券の配布枚数に関係のない管理運営費30万円と景品代との合計であるとする.
くじ管理組合に拠出されたお金でくじに要する経費の期待値がまかなえるためには,
商店街全体としての商品売り上げ目標をいくら以上にすればよいか.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

確率 期待値、独立性の利用、計算整理

方針

各回の当たり確率は 1/500 で,球を戻すので試行は独立である。(1)は期待値の加法性,(2)は1回ごとに2人の結果が一致する確率を出して4乗する。(3)は抽選券の総数を N とおき,拠出額 35N と,固定費30万円に景品代の期待値を足した経費を比較する。

解答

(1)

1回のくじで当たる確率は 1500 であり,当たったときの景品相当額は10000円である。したがって1回あたりの景品相当額の期待値は 100001500=20 円である。10枚の抽選券で10回引くので,期待値は 1020=200 である。

(2)

1回のくじについて,2人の結果が一致するのは,ともに当たる場合またはともに外れる場合である。したがって1回分の一致確率は(1500)2+(499500)2=1+49925002=249002250000である。4回の結果の順序が完全に一致するには,4回すべてで一致すればよい。各回は独立だから,求める確率は (249002250000)4=0.984 である。小数点第3位を四捨五入して 0.98 である。

(3)

商店街全体で配布する抽選券の枚数を N とする。抽選券1枚につき35円を拠出するので,拠出金の総額は 35N である。

一方,管理運営費は300000円である。また,1枚の抽選券に対応する景品代の期待値は(1)で求めた1回あたりの期待値と同じく20円である。したがって経費の期待値は 300000+20N 円である。拠出金で期待経費をまかなうためには 35N300000+20N が必要十分である。整理して 15N300000,N20000 である。

抽選券1枚は1000円の買い物ごとに配布されるので,必要な売り上げ目標は 200001000=20000000 円以上である。よって 2000万円以上 である。

抽選券1枚あたりの差額15円が固定費を回収する、と読むと必要枚数が見える。

総評

難度4,計算量4。目安時間は15分。確率の独立性と期待値の加法性を素直に使う問題である。(2)は「当たりの回数が同じ」ではなく「当たり外れの順序が完全に一致」なので,1回ごとの一致確率を4乗する。(3)では景品代を実費でなく期待値として置く点,抽選券枚数から売上金額へ戻す点を落とさない。 小数指定は0.984…を小数第3位で四捨五入して0.98とする。百分率との取り違えに注意する。

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出典: 東北大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。