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東北大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

x>0において,
関数f(x)=xsin⁡πxを考える.
関数f(x)の導関数をf′(x)と書くことにし,
以下の問に答えよ.

(1) f′(2)を求め,x>2のときf′(x)<1であることを示せ.

(2) kが自然数のとき,f′(1k)を求めよ.

(3) f′(x)=1となるxを値の大きいものから順にx1,x2,x3,⋯とおく.
n≧2である自然数nに対して,1n<xn<1n−1を示せ.

(4) 次の極限を求めよ.lim⁡n→∞f(xn)

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30分

三角関数、微分、数列 接線・法線、範囲評価、極限計算

方針

u=π/x とおくと,導関数は f′(x)=sin⁡u−ucos⁡u と書ける。方程式 f′(x)=1 は g(u)=sin⁡u−ucos⁡u=1 の解を調べる問題になり,g′(u)=usin⁡u から各区間 ((n−1)π,nπ) で単調性が決まる。端点値が1をはさむことを確認して解の位置を出し,最後は ∣xsin⁡(π/x)∣≦x で極限を抑える。

解答

(1) f(x)=xsin⁡πx を微分するとf′(x)=sin⁡πx+xcos⁡πx(−πx2)=sin⁡πx−πxcos⁡πxである。したがって f′(2)=sin⁡π2−π2cos⁡π2=1 である。

また,x>2 のとき 0<πx<π2 なので cos⁡πx>0 である。よってf′(x)=sin⁡πx−πxcos⁡πx<sin⁡πx<1となり,x>2 で f′(x)<1 が示された。

(2)

自然数 k に対して x=1/k を代入するとf′(1k)=sin⁡kπ−kπcos⁡kπ=0−kπ(−1)k=(−1)k+1kπである。

(3) u=πx とおく。x>0 で u>0 であり,x が大きい順に並ぶことは u が小さい順に並ぶことに対応する。方程式 f′(x)=1 は sin⁡u−ucos⁡u=1 である。 g(u)=sin⁡u−ucos⁡u とおくと g′(u)=cos⁡u−(cos⁡u−usin⁡u)=usin⁡u である。区間 ((n−1)π,nπ) では sin⁡u の符号が一定なので,g は単調である。

端点の値は g(kπ)=sin⁡kπ−kπcos⁡kπ=(−1)k+1kπ である。n が偶数のとき g((n−1)π)=(n−1)π>1,g(nπ)=−nπ<1 であり,この区間で g は減少する。n が奇数のとき g((n−1)π)=−(n−1)π<1,g(nπ)=nπ>1 であり,この区間で g は増加する。したがって,いずれの場合も区間 ((n−1)π,nπ) に g(u)=1 の解がただ1つ存在する。

これを小さい方から u1,u2,u3,… とすると,対応する xn は xn=πun であり,un∈((n−1)π,nπ) だから 1n<xn<1n−1 である。これは n≧2 で成り立つ。

(4)

(3) より 0<xn<1n−1 であるから xn→0 である。また ∣f(xn)∣=∣xnsin⁡πxn∣≦xn である。右辺が0に近づくので,はさみうちによりlim⁡n→∞f(xn)=0である。

x の大小が u では逆転することに注意して、各半周期の一意な解を戻す。

総評

難度7,計算量6。目安時間は30分。x のまま方程式を追うより,u=π/x に変えて三角関数の区間ごとの単調性を見るのが自然である。端点値の符号だけでなく,偶奇で増減が逆になることを説明すると存在と一意性が明確になる。(4)は f′(xn)=1 を直接使う必要はなく,(3)で得た xn→0 と基本不等式で十分である。 各区間での存在だけでなく単調性による一意性まで示して初めて、xn の番号づけが正当化される。

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出典: 東北大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。