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東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

abcdeを実数とする.
多項式f(x)=ax4+bx3+cx2+dx+eが次の条件(i),(ii),(iii)をすべて満たすとき,
abcdeの値を求めよ.

(i) x4f(1x)=f(x)

(ii) f(1x)=f(x)

(iii) f(1)=1

難易度4/ 10計算量4/ 10目安16

数と式 恒等式比較、対称式の利用

方針

条件(i)は係数が左右対称であることを表すので,まず e=ad=b を得る。次にその形を保ったまま f(1x)=f(x) を展開して係数を比較し,最後に f(1)=1 で全体の倍率を決める。別解として,条件(ii)を中心 x=1/2 に関する対称性と見て,最終形が (x2x+1)2 になることも確認できる。

解答

条件(i)を用いる。いま f(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e であるから x4f(1x)=a+bx+cx2+dx3+ex4 である。これが f(x) に等しいので,係数比較により e=a,d=b である。したがって f(x)=ax4+bx3+cx2+bx+a と書ける。

次に条件(ii)を使う。展開公式 (1x)2=x22x+1, (1x)3=x3+3x23x+1, (1x)4=x44x3+6x24x+1 を用いる。f(1x)x3 の係数は 4ab であり,これが f(x)x3 の係数 b に等しい。したがって 4ab=b より b=2a である。

さらに x の係数を比較する。f(1x)x の係数は 4a3b2cb=4a4b2c であり,これが f(x)x の係数 b に等しい。よって 4a4b2c=b である。b=2a を代入して 4a+8a2c=2a となるから c=3a である。

したがって f(x)=a(x42x3+3x22x+1) である。条件(iii)より f(1)=a(12+32+1)=a であり,f(1)=1 だから a=1 である。よって a=1,b=2,c=3,d=2,e=1 である。

別解

解法2(対称式で整理)

方針

条件(ii)を先に使い、q=x(1x) とおく。x1x の交換で不変な4次以下の多項式は Aq2+Bq+C と書ける。この形を条件(i)へ代入すると、係数比較が3文字だけで済み、最後に条件(iii)で倍率を決められる。

解答

条件(ii)の利用
q=x(1x) とおくと、x1x に替えても q は変わらない。したがって、条件(ii)を満たす4次以下の多項式はf(x)=Aq2+Bq+Cと表せる。実際、u=x12 とおけば条件(ii)は f(1/2+u)=f(1/2u) であり、fu の偶数次だけからなる。u2=14q なので上の形になる。

条件(i)の利用
q=x(1x) を用いて両辺を展開するとx4f(1x)f(x)=(A+C)x4+(2A+B)x3+(2AB)x+(AC).これが恒等的に 0 だからC=A,B=2Aである。よってf(x)=A(q22q+1)=A(q1)2=A(x2x+1)2.条件(iii)の利用
f(1)=A=1 である。したがってf(x)=(x2x+1)2=x42x3+3x22x+1を得る。

総評

難度は10段階中4、計算量は10段階中4。試験場での目安は16分で、係数比較を丁寧に行えば完答しやすい問題である。採点点は、条件(i)から e=a,d=b を正確に読み取ること、条件(ii)の展開で b=2a,c=3a を落とさないこと、最後に f(1)=1 で倍率を決めることである。展開量は多くないが、符号ミスが起きやすいので、(1x)2,(1x)3,(1x)4 を先に書いてから係数比較するとよい。

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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。