方針
2本の半直線 OA1,OA2 のなす角を ϕ とおき,最初の直角三角形から cosϕ と sinϕ を求める。以後は一方の半直線から他方へ垂線を下ろす操作なので,垂線の長さは毎回 cosϕ 倍になる。内積は,隣り合う垂線ベクトルの長さの積と,そのなす角の余弦 −cosϕ から等比数列として和を取る。
解答
(1) ∠A1OA2=ϕ とおく。△OA1A2 は A2 で直角であり,OA1=1,OA2=1/3 である。したがって OA1 が斜辺であり,cosϕ=OA1OA2=31 である。また sinϕ=1−cos2ϕ=32 である。
最初の長さは A1A2=OA1sinϕ=32 である。次に A2 から OA1 に垂線を下ろすと,できる直角三角形は前のものと同じ角 ϕ をもつので,垂線の長さは前の長さの cosϕ 倍になる。この操作が繰り返されるから AkAk+1=A1A2(cosϕ)k−1 である。よってAkAk+1=32(31)k−1=3k/22である。
(2) hk=AkAk+1 であるから,(1)より ∣hk∣=3k/22 である。
隣り合う hk と hk+1 は,交互に2本の半直線へ垂直に下ろされる向きのベクトルである。向きまで含めて考えると,そのなす角の余弦は −cosϕ=−31 である。したがってhk⋅hk+1=∣hk∣∣hk+1∣(−31)であり,(1)の長さを代入して hk⋅hk+1=−3k+12 を得る。
よってk=1∑nhk⋅hk+1=−k=1∑n3k+12である。等比数列の和よりk=1∑n3k+12=92⋅1−1/31−(1/3)n=31(1−3n1)だからk=1∑nhk⋅hk+1=−31(1−3n1)である。
2本の半直線への直交射影を交互に繰り返すため、各線分の長さは一定比で縮む。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は23分で、図形の相似とベクトルの向きを結びつける問題である。採点点は、cosϕ=1/3 を正しく取り、垂線の長さが毎回 1/3 倍になること、内積の符号が負になることを説明する点にある。長さだけを追うと最後の符号を落としやすいので、隣り合う垂線ベクトルの向きまで図に書き込むとよい。
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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。