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東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

平面上の△OA1A2は∠OA2A1=90∘,
OA1=1,OA2=13を満たすとする.
A2からOA1へ垂線を下ろし,交点をA3とする.
A3からOA2へ垂線を下ろし,交点をA4とする.
以下同様に,k=4, 5, ⋯について,AkからOAk−1へ垂線を下ろし,
交点をAk+1として,順番にA5, A6, ⋯を定める.
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) AkAk+1 (k=1, 2, ⋯ )を求めよ.

(2) hk→=AkAk+1→とおくとき,
自然数nに対して∑k=1nhk→⋅hk+1→を求めよ.
ただし,hk→⋅hk+1→は
hk→とhk+1→の内積を表す.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安23分

ベクトル、数列 内積の利用、和の計算、図形的解釈

方針

2本の半直線 OA1,OA2 のなす角を ϕ とおき,最初の直角三角形から cos⁡ϕ と sin⁡ϕ を求める。以後は一方の半直線から他方へ垂線を下ろす操作なので,垂線の長さは毎回 cos⁡ϕ 倍になる。内積は,隣り合う垂線ベクトルの長さの積と,そのなす角の余弦 −cos⁡ϕ から等比数列として和を取る。

解答

(1) ∠A1OA2=ϕ とおく。△OA1A2 は A2 で直角であり,OA1=1,OA2=1/3 である。したがって OA1 が斜辺であり,cos⁡ϕ=OA2OA1=13 である。また sin⁡ϕ=1−cos⁡2ϕ=23 である。

最初の長さは A1A2=OA1sin⁡ϕ=23 である。次に A2 から OA1 に垂線を下ろすと,できる直角三角形は前のものと同じ角 ϕ をもつので,垂線の長さは前の長さの cos⁡ϕ 倍になる。この操作が繰り返されるから AkAk+1=A1A2(cos⁡ϕ)k−1 である。よってAkAk+1=23(13)k−1=23k/2である。

(2) hk→=AkAk+1→ であるから,(1)より ∣hk→∣=23k/2 である。

隣り合う hk→ と hk+1→ は,交互に2本の半直線へ垂直に下ろされる向きのベクトルである。向きまで含めて考えると,そのなす角の余弦は −cos⁡ϕ=−13 である。したがってhk→⋅hk+1→=∣hk→∣ ∣hk+1→∣(−13)であり,(1)の長さを代入して hk→⋅hk+1→=−23k+1 を得る。

よって∑k=1nhk→⋅hk+1→=−∑k=1n23k+1である。等比数列の和より∑k=1n23k+1=29⋅1−(1/3)n1−1/3=13(1−13n)だから∑k=1nhk→⋅hk+1→=−13(1−13n)である。

2本の半直線への直交射影を交互に繰り返すため、各線分の長さは一定比で縮む。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は23分で、図形の相似とベクトルの向きを結びつける問題である。採点点は、cos⁡ϕ=1/3 を正しく取り、垂線の長さが毎回 1/3 倍になること、内積の符号が負になることを説明する点にある。長さだけを追うと最後の符号を落としやすいので、隣り合う垂線ベクトルの向きまで図に書き込むとよい。

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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。