方針
停止点 に到達する前の経路だけを数える。(1)は最後の一歩が であることを固定し,初めの4ステップのうち不適な並びを除く。(2)は6ステップ後に2へいる全経路から,途中で3へ到達した経路を除く。(3)は7ステップ終了時まで3へ到達しない経路数を段階的に数える。別解として,最初に3へ到達したところまでを反転する対応でも個数を確認できる。
解答
(1)
5ステップで値3に到達するには, が4回, が1回でなければならない。また,ちょうど5ステップで初めて に到達するので,最後のステップは である。
したがって,初めの4ステップには が3回, が1回含まれる。ただし,初めの3ステップがすべて であると,3ステップ目で値3に到達して停止してしまう。よって の位置は初めの3ステップのどこかであり,3通りである。
したがって求める確率は である。
(2)
6ステップ後に値2にいるには, が4回, が2回である。全体では 通りである。
このうち,途中で値3に到達する経路を除く。値3に到達した経路について,初めて値3に到達した時点までの と を入れ替えると,6ステップ後に値4へ到達する経路に対応する。6ステップ後に値4へ到達するには が5回, が1回であるから 通りである。
したがって,途中で3に到達せず6ステップ後に2にいる経路は 通りである。よって確率は である。
(3)
8ステップ以上移動するとは,7ステップ終了時までに値3へ到達しないことである。値3以上へ初めて到達する場合は,必ず値3に到達するので,7ステップの間ずっと値2以下にいる経路を数えればよい。
各ステップ後の位置ごとに,値3へ到達していない経路数を数える。7ステップ目まで順に数えると,7ステップ後に可能な位置と経路数は である。これらの合計は である。
したがって求める確率は である。
別解
解法2(動的計画表)
方針
を「 ステップ後に にいて、それまで一度も3へ到達していない経路数」と定める。境界 の経路を捨てながら を更新すれば、3つの小問を同じ表から読み取れる。
解答
を、原点から出発して ステップ後に におり、途中で一度も に到達していない経路の個数とする。初期値は であり、 に対してで更新する。ただし に達した経路は以後数えない。
(1)
4ステップ後に にいて未停止である経路数は である。5歩目は必ず だから、求める確率は(2)
表を6ステップまで更新すると である。したがってこの数え方では、途中で に達して停止する経路は更新時にすでに除かれている。
(3)
8ステップ以上移動するとは、7ステップ終了時点でまだ停止していないことである。7ステップ後の未停止経路数はである。合計は だから
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は20分で、停止条件つきのランダムウォークを数える問題である。採点点は、単に最終位置だけを見るのではなく途中で3に到達した経路を除くこと、(1)で最後の一歩を固定すること、(3)で7ステップ以内に停止しない経路を直接数えることにある。反転対応は便利だが境界の扱いを誤りやすいので、試験場では段階表を小さく作るのが堅実である。