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東北大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

数直線上を点Pが1ステップごとに,+1または-1だけそれぞれ12の確率で移動する.
数直線上の値が3の点をAとして,PAにたどり着くと停止する.
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) Pが原点Oから出発して,ちょうど5ステップでAにたどり着く確率を求めよ.

(2) Pが原点Oから出発して,ちょうど6ステップで値が2の点Bにたどり着く確率を求めよ.

(3) Pが原点Oから出発して,8ステップ以上移動する確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

確率場合の数 数え上げ、余事象

方針

停止点 3 に到達する前の経路だけを数える。(1)は最後の一歩が +1 であることを固定し,初めの4ステップのうち不適な並びを除く。(2)は6ステップ後に2へいる全経路から,途中で3へ到達した経路を除く。(3)は7ステップ終了時まで3へ到達しない経路数を段階的に数える。別解として,最初に3へ到達したところまでを反転する対応でも個数を確認できる。

解答

(1)
5ステップで値3に到達するには,+1 が4回,1 が1回でなければならない。また,ちょうど5ステップで初めて A に到達するので,最後のステップは +1 である。

したがって,初めの4ステップには +1 が3回,1 が1回含まれる。ただし,初めの3ステップがすべて +1 であると,3ステップ目で値3に到達して停止してしまう。よって 1 の位置は初めの3ステップのどこかであり,3通りである。

したがって求める確率は 325=332 である。

(2)
6ステップ後に値2にいるには,+1 が4回,1 が2回である。全体では 6C2=15 通りである。

このうち,途中で値3に到達する経路を除く。値3に到達した経路について,初めて値3に到達した時点までの +11 を入れ替えると,6ステップ後に値4へ到達する経路に対応する。6ステップ後に値4へ到達するには +1 が5回,1 が1回であるから 6C1=6 通りである。

したがって,途中で3に到達せず6ステップ後に2にいる経路は 156=9 通りである。よって確率は 926=964 である。

(3)
8ステップ以上移動するとは,7ステップ終了時までに値3へ到達しないことである。値3以上へ初めて到達する場合は,必ず値3に到達するので,7ステップの間ずっと値2以下にいる経路を数えればよい。

各ステップ後の位置ごとに,値3へ到達していない経路数を数える。7ステップ目まで順に数えると,7ステップ後に可能な位置と経路数は 7:1,5:7,3:21,1:34,1:28 である。これらの合計は 1+7+21+34+28=91 である。

したがって求める確率は 9127=91128 である。

別解

解法2(動的計画表)

方針

Nr(j) を「r ステップ後に j にいて、それまで一度も3へ到達していない経路数」と定める。境界 j=3 の経路を捨てながら Nr+1(j)=Nr(j1)+Nr(j+1) を更新すれば、3つの小問を同じ表から読み取れる。

解答

Nr(j) を、原点から出発して r ステップ後に j におり、途中で一度も 3 に到達していない経路の個数とする。初期値は N0(0)=1 であり、j2 に対してNr+1(j)=Nr(j1)+Nr(j+1)で更新する。ただし 3 に達した経路は以後数えない。

(1)
4ステップ後に 2 にいて未停止である経路数は N4(2)=3 である。5歩目は必ず +1 だから、求める確率は325=332.(2)
表を6ステップまで更新すると N6(2)=9 である。したがって926=964.この数え方では、途中で 3 に達して停止する経路は更新時にすでに除かれている。

(3)
8ステップ以上移動するとは、7ステップ終了時点でまだ停止していないことである。7ステップ後の未停止経路数はj75311N7(j)17213428である。合計は 91 だから9127=91128.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は20分で、停止条件つきのランダムウォークを数える問題である。採点点は、単に最終位置だけを見るのではなく途中で3に到達した経路を除くこと、(1)で最後の一歩を固定すること、(3)で7ステップ以内に停止しない経路を直接数えることにある。反転対応は便利だが境界の扱いを誤りやすいので、試験場では段階表を小さく作るのが堅実である。

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出典: 東北大学 2008年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。